ダイエット成功の秘訣はマインド設定!痩せるメンタルの作り方【臨床心理士監修】

「ダイエットしよう!」と意気込んでも、なかなか続かなくてつらい…という声はよく聞きます。ダイエットにおいて、メンタル面の悩みは切り離せない課題ですよね。これまでダイエットが成功しなかったと感じている人は、食事法や運動方法よりも先にメンタル面を見直してみるのはどうでしょうか?今回は臨床心理士がダイエット成功に必要なメンタルの作り方と、ダイエットが失敗しやすい考え方について解説します。

監修者
いけや さき
臨床心理士
心理学系大学院修士課程修了後、精神科病院や心療内科クリニック、療育施設などに従事。 「よりカウンセリングとセルフケアを身近に」という思いから、2020年にフリーの臨床心理士としてオンラインプラットフォームや個人サイトを通してオンラインカウンセリングを開始。主に20~40代女性のカウンセリングを担当。現在は女性が生きやすい世の中を目指し、ライターとしても情報提供を行っている。

資格
臨床心理士、公認心理師、マインドフルネススペシャリスト

ダイエット成功には痩せるメンタルが重要

「ダイエットに挑戦してるけど、なかなか成功しない」
「いつも途中で挫折しちゃう」
と思ったことはありますか?

ダイエット法はいくらでもあるけど、うまくいかない…痩せない…自分って全然だめだ…よし!食べてスッキリしよう!と、ダイエットから遠ざかる行動を繰り返したことがある人もいるかもしれません。

ダイエット成功には、思考や捉え方などメンタル面が重要です。ではダイエット成功者のメンタルはどんな感じなのでしょうか?

ダイエットに成功しやすい人のメンタルの一例をまとめてみました。

・自分ならできると信じる
・周りに流されない
・数値に振り回されない
・参考になることをどんどん試す
・自分で自分のご機嫌が取れる

みなさんはダイエット成功のためのメンタルを持っていますか?今持っていなくても大丈夫です。これからメンタルを育てていきましょう!

では逆にダイエットに失敗しやすい人のメンタルは「食事を食べない方がいい」「毎日たくさん運動しなきゃ」など、情報に左右されり、無理な目標を定める人が多いといわれています。

ダイエットが成功するメンタルの作り方

では、ダイエット成功のためのメンタルに変えていくには、具体的に何をしていけばいいでしょうか?

ここでも重要なのは追い込むのではなく「自分に合う」を探すことです。自分に合うものを実行することで、周りのダイエット仲間の話を聞いて必要以上に焦ることや、途中でダイエットを挫折する心配が少なくなります。さっそくメンタルの作り方をチェックしていきましょう!

①セルフモニタリングで自分を知る

心理療法の1つ「認知行動療法」では、自分の状態やパターンを知ることをセルフモニタリングと言います。セルフモニタリングとは現在の食事内容や頻度、運動量、気分や体調の変化を記録する方法です。特にダイエット成功のメンタルを作るためには「気分の変化」の記録が重要。

たとえば、「今日、職場で先輩に嫌味言われてむかついたからやけ食いした」など、どんなシチュエーションでどのような気持ちになったときになにをしたか書いておくと、自分の行動パターンが見えてきます。

まずはこのように可視化することで「自分に合う」ダイエット方法を見つけていくのです!

このセルフモニタリングは準備段階だけでなく、ダイエット中の記録にも使えます。また「先週はたくさんお菓子食べてたのに、今週はそんなに食べてない!」など自分のがんばりが見え、モチベーションアップにもつながる方法ですよ。

<セルフモニタリングで書くこと>
1日食事内容や頻度・時間、運動量、気分や体調の変化、出来事など
専用のノートやアプリを用意しておくのがおすすめです!

②なりたい自分の姿を具体的に想像する

セルフモニタリングと共に準備段階で重要なのは、具体的な目標設定です。この目標設定は数値でもいいのですが、もっと具体的でワクワクするようなものがいいでしょう。

たとえば
・マイナス〇キロになって、あのお店のワンピースを着る
・脚痩せして、スキニーやデニムを履きこなす
・夏までに〇キロ痩せて、可愛いビキニを着る
など、痩せたい部分や目標体重とともに、そのあとどうなりたいかも考えてみましょう。

心理学では、自分のなかにある自身のイメージを「セルフイメージ」といいますが、「どうせ私は痩せられない」「お菓子が辞められないから無理」というイメージを持っていると無意識に痩せ体質から遠のいてしまいます。

なりたい自分を想像することはセルフイメージを上手く活用したメンタル改善&ダイエット成功法なのです。

③できない日があっても自己否定しない

人は毎日同じ気分や体調で過ごせるとは限りません。決めていたことができない日があるのも当然ですよ。

そんなとき、ダイエットに成功しやすい人なら「今日はできなかったけど、明日またがんばろう」と切り替えられます。そして原因を冷静に分析して、翌日以降に回復させることもできます。しかし、失敗しやすい人は「できなかった…やっぱりダイエットなんて上手くいかないんだ」と落ち込み、運動しなくなったり、やけ食いしたりなどダイエットとは遠い行動に走りやすくなるのです。

できない日があっても否定しない。

そういう日もあるから、明日からまた少しずつやっていこう!厳しくしすぎない方がちょうどいいです。その気持ちがダイエット成功にグッと近づきますよ。

④ストレス解消方法を用意しておく

自分で自分の機嫌をとれる人は、ダイエットやそのほかのことも上手くいきやすいといわれています。

ダイエット中は過度なものではなくても、今までの生活から制限しなくてはならないことが増えるでしょう。そのストレスがかえって暴飲暴食につながり、ダイエット失敗…なんてことも。女性の場合、ストレスやそれに伴う暴飲暴食は肌にも影響が出てしまいます。

だからこそ自分の機嫌は自分でとる。適度にご褒美デーを作ったり、趣味を楽しむ時間やサウナでリフレッシュする時間も作ってみましょう。特に女性は生理前が要注意。イライラして暴飲暴食がいつも以上に増えやすくなります。生理前は自分の心身を労わる期間としてあげましょうね!

ちなみに、生理の終わりあたりから生理後2週間が痩せやすいといわれています。女性ホルモンの変化を見て、ダイエット計画を立てるといいかもしれません。

⑤達成できる小さな目標をクリアしていく

なりたい自分を具体的に想像するほかに、小さな目標を立てることもダイエット成功には重要。心理学では「スモールステップ」といわれる方法で、まるで階段を一段一段のぼるように小さな目標を達成していきます。

たとえば、運動不足の人や運動が苦手な人なら「ゴミ出しついでに近所を5分歩く」からはじめて「ゴミ出しのない日も5分歩く」それができたら「10分歩く」「ちょっと早歩きしてみる」などがいいかもしれません。

また、毎日お菓子を食べてしまう人なら「水曜日だけお菓子をやめる」からスタートし、それができたら「土曜日もやめる」「平日のお菓子はアーモンドやナッツに変える」などもいいですね。

運動量や歩行距離を少しずつ増やしたり、間食回数を徐々に減らしたり、置き換えてみるなど少しずつ段階を経て進んでいくのがおすすめです。モチベーションをあげるために、それらをスタンプやシールで記録している人もいますよ!

こんなメンタルになったら要注意!

ここまでダイエット成功に必要なメンタルと、そのメンタルの作り方をご紹介しました。

この項目では、ダイエット成功を妨げる考え方と、その解決策を紹介します。これまでのダイエットで以下の3つのようなメンタルになった経験のある人や、今これらのメンタルをお持ちの人は解決策を試してみてくださいね。

べき思考
「糖質制限しなきゃ」「断食しなければなない」「走らなきゃいけない」など、確かにダイエット法として間違ってはいないのですが、向いている人が正しいやり方でやってはじめて成功する方法です。「~しなければならない」「~するべき」「~しなきゃ」などなったら要注意。

<解決策>
そういうときは、「無理はしない」「我慢はしすぎない」を大事してみましょう。ダイエットのためなら…!と考えるのは素敵ですが、ストレスは禁物です。スモールステップを思い出し、できる範囲を探してみてくださいね。

とにかく減らせればOK
健康的な痩せ方ではなく、消費エネルギーと摂取エネルギーのバランスが極端に悪い痩せ方ではリバウンドの確率があがります。減らすことだけを目的とし、見た目や健康を疎かにしたり、「食べなければOK」「毎日激しい運動すればOK」など追い込みすぎるのも危険です。

<解決策>
体重を減らすことだけを目標とせず健康的な痩せ方を目指しましょう。健康的な痩せ方には所説ありますが、PFCバランスや栄養学を学んでおくと便利です!ほかにも身体の仕組みなどを知っておくといいかもしれません。

PFCバランスとは、タンパク質(P)・糖質(F)・炭水化物(C)のこと。厚生労働省の基準(※)では、1日あたりのバランスを「タンパク質13~20%」「脂質20~30%」「炭水化物50~65%」とされていますが、これは減量向きではないといわれています。ダイエット目的で本格的にPFCバランスを設定したい人は、一度専門のクリニックや管理栄養士に相談してみましょう。

※参考:日本人の食事摂取基準(2020 年版)p.166-170

すぐに結果を求める
ダイエット中、すぐに結果を求めることで何度も諦めそうになって、いつの間にか辞めていた経験はありませんか?ダイエットは短期間で行なうものではなく、長期的に自分の身体や生活スタイルを見ながら行っていくものです。しかし、その長期的なダイエットにはメンタルの維持が必要。ではどうすればいいかというと…

<解決策>
メンタルが自分だけでは保てない…という人は、この記事で紹介した①②⑤をもう一度やってみて、「③できない日があっても自己否定しない」「④ストレス発散方法を用意しておく」も今できているか確認しましょう。

また、プロに依頼したり、臨床心理士や公認心理師のカウンセリングもおすすめです。実は近年、肥満外来やパーソナルジムでも心理的アプローチをするところが増えています。カウンセリングでセルフモニタリングやスモールステップ法を行うことでダイエット成功を目指す人も多いのですよ。

1人でがんばろうとせず、周りの力を借りてダイエット成功を目指しましょう!

メンタルを保ってダイエット成功させよう!

ダイエット成功に必要なメンタルを解説しました。
ダイエットは自分を無理に追い込むものではなく、理想の自分になるために努力し、自分の健康を大切にする方法です。だからこそ、ダイエットのための運動や食事管理を成功させるには、メンタルを保つことが重要とされています。

メンタルを整えて、ダイエットを成功させ、今よりもっと自分を好きになりましょう!

心理カウンセラー(臨床心理士・公認心理師)
医療・福祉施設勤務を経て、フリーのカウンセラー・ライターとして活動中。

“心と身体はつながっている”という考えのもと、女性たちが穏やかで自分らしいライフスタイルを手に入れるためのカウンセリングや情報提供しています。

わたし自身も外側と内側の両方の健康を意識し、運動を意識するほか、最近では漢方や薬膳、食生活に関する分野を勉強中です♪

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