ダイエットに必要なタンパク質の量とは?適切な量やおすすめの食材とは?

「食べずに痩せる」というダイエットはもう古い!近年は必要な栄養をとり、美しく痩せるダイエットが注目されています。そこで欠かせない栄養素がタンパク質。今回はタンパク質に注目し、タンパク質の特徴やうまく取り入れるコツなどをご紹介します。

そもそもタンパク質とは?

タンパク質は、炭水化物、脂質、ミネラル、ビタミンとともに5大栄養素のひとつとして分類されています。このなかでも、エネルギー源となる炭水化物、脂質、タンパク質は3大栄養素といわれます。毎日の食事でしっかりと摂取する必要がある栄養素です。

タンパク質は、アミノ酸が多数結合した高分子化合物で、身体を構成する重要な成分のひとつです。筋肉や臓器、血管、骨格、皮膚などは全てタンパク質をもとにして構成されています。筋トレをする人がプロテイン、つまりタンパク質を積極的に摂取するのは、筋肉を増強させたり維持したりするために、筋肉の構成要素となるタンパク質が必須だからです。

またそれだけでなく、ホルモンや酵素、免疫抗体などもタンパク質が関わっています。これらの成分は身体の機能を調整する役割を担っており、うまく作用しないと身体を健康的に維持することができません。タンパク質が身体にとっていかに重要なものであるかがわかりますね。

タンパク質が不足するとどうなるの?

ではタンパク質が不足するとどうなるのでしょうか。
わかりやすい変化でいえば、筋肉量が減って疲れやすくなる、皮膚や髪の毛が乾燥しやすくなりハリがなくなる、爪がもろくなるなどが挙げられます。肌のハリを保つために必要なコラーゲンや、髪の毛や爪の主成分であるケラチンは、タンパク質から生成されるからです。つまりタンパク質が不足すると、身体の内部だけの問題ではなく、見た目にも影響してくるのですね。

タンパク質のもとになるアミノ酸には、体内では産生することができないものも含まれています。そのためタンパク質を補給するには、必ず外部から摂取する必要があります
不規則な生活やダイエットで食事量が減少すると、タンパク質の摂取量も減りやすくなります。タンパク質不足は身体のパフォーマンスが落ち、日常生活や仕事、ダイエットに対しても効率が悪くなるばかりです。しっかりと摂取することを心がけ、身体の内外の働きの維持に努めましょう。

タンパク質の必要量は?

タンパク質が重要な成分であることはおわかりいただけたでしょう。では実際に摂取する場合、どの程度の量が推奨されているのでしょうか。
体型や活動量によって細かくは異なりますが、およその目安として、成人男性で約60~65g/日、成人女性で約50g/日と言われています。

ただ数字だけをみても、ピンとこない人が多いはずです。そこで厚生労働省による「タンパク質1日平均摂取量」の調査報告をみてみると、成人男性でおよそ70~80g、成人女性でおよそ60~70g摂取できているという結果になっています。つまり食事を極端に制限しなければ、それほど意識しなくてもタンパク質はある程度自然と摂取できているのです。

ダイエットにおいてタンパク質が大切な理由は?

ダイエットでは、食事の見直しがとても大切です。過剰に摂取していたり、偏った栄養摂取をしたりしているのならば改める必要があるでしょう。
しかしむやみに食事量を減らせばいいということではありません。必要な栄養まで摂取できなくなってしまうと、一時的に痩せたようにみえても、その後の身体に悪影響が出てしまいます。

主にダイエットの継続において、タンパク質がどうして必要なのかみていきましょう。

基礎代謝や外見を維持するため

タンパク質が不足して筋肉量が減ると、基礎代謝が下がります。基礎代謝は人間が生きていくうえで自然に消費するエネルギーのことですが、この基礎代謝が下がるということは、同じ動きをしていても消費するカロリーが減ってしまうということです。つまりダイエットで運動などをしても、脂肪の燃焼効果が下がってしまうということなのです。

さらに、筋肉が落ちることで身体全体の見た目も悪くなる場合があります。筋肉による身体のメリハリが失われてしまうのです。キュッとくびれたウエストや、丸みを帯びたお尻などは、しっかりと筋肉があって出てくるものです。タンパク質不足でこのようなメリハリが失われてしまうのは、せっかくの身体作りにおいてもったいないといえるでしょう。

また前述したように、タンパク質は肌や髪質にも影響します。ダイエットだからとタンパク質の摂取量が減ってしまうと、たとえ痩せても肌はカサカサ、髪の毛はパサパサといったことになりかねません。いくら痩せても、このような外見になってしまっては、美しく痩せられたとは言い難いのではないでしょうか。

リバウンドしにくい身体をつくるため

人によってダイエットの目的は様々ですね。イベントなどのため、一時的に痩せられればいいという場合もあるでしょう。しかし多くの場合、ダイエットが成功したら、その状態をキープしたいと思うのではないでしょうか。

そのためには適切な食習慣や運動習慣を続けることも大切ですが、ダイエットの過程でリバウンドしにくい身体を作っておくことも大切です。効率よく体型維持するためには、やはり身体そのものの状態をよくしておくことが重要なのです。

タンパク質不足で、脂肪ではなく筋肉が落ちた場合にも、「細くなった」と勘違いしてしまうことがあります。しかしこれは一見細くなったように見えても、脂肪が燃焼されていないので、実質的には痩せたとはいえません。むしろリバウンドしやすい身体にしてしまったことになります。

しっかりとタンパク質を摂取し、筋肉を維持することで、リバウンドしにくい身体をキープすることに繋がります。長期的な目線でとらえ、身体を調子よく維持できる状態にしておくことが大切です。

取り入れやすいおすすめ食材は?

タンパク質が多く含まれている食材をご紹介します。
おおまかにいえば、タンパク質が豊富に含まれているのは、肉・魚・卵・乳製品・大豆製品となります。白米や麺類などの主食類、野菜類にはタンパク質があまり含まれていないため、効率よく摂取したい場合は上記製品を意識的にとることがよいといえるでしょう。

ダイエットでは、肉や乳製品は太りやすいからと控える人も多いです。確かにこれらは脂質も多く含まれるため、過剰に摂取してしまうとダイエットの妨げになりうるといえます。そのため、ダイエット中は脂質の少ない魚製品や大豆製品の摂取を特におすすめします。

では調理できる場合と手軽に摂取する場合に分け、おすすめ食材をみていきましょう。以下に示すタンパク質含有量はあくまで目安として理解してくださいね。

自炊で積極的に使いたい食材

  • 鮭(1切れ):約18g
  • マグロ(刺身1人前):約11g
  • ツナ缶:(1缶):約17g
  • ささみ(1枚):約7g
  • 絹豆腐(1丁):約15g
  • 卵(1個):約6g
  • 納豆(1パック):約5g
  • 牛乳(コップ1杯):約6g
  • チーズ(1切れ):約4g

上記の食材にはタンパク質が豊富に含まれており、普段の食事にも取り入れやすいため特におすすめです。ただしタンパク質にも種類があり、一般的に肉や乳製品は脂質も高い場合が多いです。いくらタンパク質を意識しても、脂質を過剰に取りすぎてはダイエットの意味がありません。魚や大豆製品は、肉や乳製品に比べると脂質の割合が低い傾向にあるため、うまく取り入れながら食事ができるとよいでしょう。

コンビニなどで入手できる、手軽に食べられる食材

  • サラダチキン:約25g
  • プロテインドリンク(1パック):約15g
  • プロテインバー(1本):約16g
  • OIKOS(1カップ):約10g

コンビニでは、サッとタンパク質補給できるものが嬉しいですね。忙しいお昼の時間や仕事の合間、菓子パンやお菓子ではなく、このようなタンパク質豊富なものを取り入れてみると、よりダイエット効果が高まるでしょう。

タンパク質を上手に摂取して、きれいにダイエットしよう!

いかがでしたか。現在はスーパーやコンビニにおいても、タンパク質に注目した様々な商品が販売されています。自分で意識して調理をすることが難しい人は、タンパク質が豊富にとれるお惣菜やアイテムをうまく活用してみましょう。少ない量でも効率的にタンパク質を摂取でき、ダイエットのストレスが減るかもしれません。

美しくダイエットするためには、タンパク質が欠かせません。間違った食事制限をしてタンパク質摂取量が減り、身体の内外のバランスを失わないためにも、適切なタンパク質摂取を心がけましょう。

1993年生まれ、看護師資格保有。ライターとして活動中。趣味でホットヨガ歴5年以上。
夜勤で浮腫む身体をなんとかしたいと思い、ホットヨガ教室に通い始めたらどっぷりとハマりました。
ホットヨガのおかげでしなやかな身体を手に入れ、冷え性改善も実感しています。
医療者経験を活かし、健康とヨガをつなげた情報をみなさまにお伝えします。
https://note.com/igaguri_harry