恋愛に悩んだらバウンダリー(心の境界線)をチェックしてみて!バウンダリーを効果的に引く方法

バウンダリーとは「心の境界線」という意味をもちます。恋人との関係がうまくいっていない人は、もしかするとこのバウンダリーがうまく引けていないのかもしれません。今回は恋人との関係性をよりよくするためのバウンダリーについて解説していきます。

バウンダリーとは

バウンダリーとは、もともと「境界線」という意味をもつ言葉です。ここでは、人間関係における「相手との心の境界線」を指します。

では、バウンダリーを引くとはどういうことなのでしょうか。具体的に例を挙げると、「自分が嫌だと思うときに素直に伝える」「都合が合わないとき、どちらも納得できる解決法を考える」などがそれに当たります。つまり、お互いを尊重した対応をとることができるということです。

逆にバウンダリーがうまく引けていない状況とは、例えば「相手に遠慮して自分の希望を伝えられない」「相手の言いなりになってしまう」などです。自分の中に違和感があっても、我慢してしまうということですね。

バウンダリーによる関係性は様々な場面でみられます。親子関係、仕事などでの上下関係、友人関係、恋愛関係などが代表的です。今回は特に、関係性を築く上で問題が起こりやすい、恋愛面でのバウンダリーについて詳しくみていきます。

バウンダリーが引けないと起こる問題

安全が確保できない

バウンダリーがうまく引けないとき、まず懸念されるのが安全性の問題です。安全性にも様々な種類がありますが、例えば身体的、性的、金銭的、プライバシー的な問題などが挙げられます。
特に身体的・性的な安全性は、重要な問題となり得ます。命やその後の人生に影響する可能性があり、一生の傷を背負うことにもなりかねません。

このような問題が生じた場合は、速やかな対応が必要です。話し合いで解決できればよいですが、もし2人で解決しないのであれば、第三者を介入させることもひとつの方法です。客観的な意見をもらうことができ、よりスムーズな解決が期待できます。場合によっては専門の機関を使うことも必要でしょう。

憂鬱な気分になることが増える

バウンダリーの不一致を我慢し続けることは、大きなストレスとなります。「こんなことをされるのは嫌だけど、伝えたら嫌われてしまうかもしれない」「どうしていつも自分が我慢しなければいけないんだろう」…。このような思いをいだきながら日々を送るのは、とてもつらいことです。
このように相手との距離感がつかめなくなり、憂鬱な気分になることが増えていきます。

もし一時的に何か別のことでストレスの発散ができたとしても、恋人との関係は続いているため、またすぐにストレスが積もってしまいます。バウンダリー自体の問題が解決しないと、気分が完全に晴れることはないでしょう。

憂鬱な気分がどんどん進行すると、精神的な病になってしまうこともあります。精神病はどのようなきっかけで発症してもおかしくなく、そうならないためにも自分自身をしっかりと守る必要があります。

バウンダリーの不一致による感情の低下については、話し合って解決法を見つけていくしかありません。もしお互いがどうしても納得できない場合、その恋人との関係は終わらせた方がいいでしょう。感情はコントロールしづらいものなので、合わずに落ち込むのであれば、自分が幸せにいられる相手を探した方がよいです。

自分のやりたいことができなくなる

自分のバウンダリーを侵害されると、やりたいことができなくなる場合があります。もちろん人はそれぞれ欲求があり、そのすべてを認めてもらうのは無理かもしれません。時には少し我慢する配慮も必要でしょう。
しかし例えば、「友達と遊びたいのに、恋人に行くことを制限されてしまう」「恋人と過ごす時間が多すぎて、自分の趣味にあてる時間が全くない」などは、徐々に精神的な負担となってしまいます。

そもそも恋人であっても、お互いがひとりの人間です。恋人がいるからといって、全てを思い通りにしたりされたりすることは不可能なはずなのです。
この考え方は人によって様々なので、恋人とは早い段階で話し合っておくとよいですね。すれ違いを防ぐことができるでしょう。

バウンダリーを効果的に引く方法

自分のバウンダリーを見つめ直す

みなさんは、自分のバウンダリーを明確に持っていますか?人との関係性におけるバウンダリーを引くためには、まず自分のバウンダリーについて自分自身がしっかりと理解している必要があります。

特に普段の生活の中でひとりになる時間があまりない人は、バウンダリーが曖昧になりやすいです。人と接する中で気づくことは、もちろんたくさんありますが、その分自分だけと向き合う時間が減ってしまうからです。
バウンダリーが曖昧だと、自分を抑制して相手の言いなりになりやすくなってしまいます。自分のバウンダリーをしっかりともっておくことは土台となり、自分を守ることにつながります。

まずは一度、自分だけの時間をつくり、自分自身と向き合ってみましょう。恋人との関係において、自分はどのようなことを求めているのでしょうか。またどのようなことは許せないのでしょうか。現時点で我慢していることはありませんか。
このようにひとつずつ考えていき、思考や感情を整理しましょう。もっとはっきりとさせるために、紙に書き出してみるのもよいですね。

相手とバウンダリーを伝え合い、受け入れられるか考える

自分のバウンダリーを整理した上で、恋人とお互いのバウンダリーについて伝え合いましょう。特にどうしても譲れないことに関しては、しっかりと伝える必要があります。

人はそれぞれの価値観で生きており、全く同じ考えをもった人間はいません。きちんと伝えられないと、お互いに我慢しながら過ごさなければならない関係性となってしまうこともあります。

そして相手のバウンダリーを聞いたら、自分のバウンダリーを侵さずに受け入れられるかを考えましょう。ここでお互いに譲れないバウンダリーがぶつかってしまった場合、その恋人との関係性自体を見直す必要があるかもしれません。せっかく見つめ直したバウンダリーを相手に合わせて変えてしまっては意味がないからです。
逆に相手にも、自分のバウンダリーについて受け入れられないところはないか確認しましょう。無理に自分のバウンダリーを押し付けるのは間違っています。

関係性を築く上で必要なことを話し合う

お互いにバウンダリーを伝え合い、両者ともバウンダリーを受け入れられるなら、今後の関係性を築く上で必要なことを話し合いましょう。この話し合いは、関係性をさらによくするためにとても大切なものです。

これまで我慢していたことがあるならば、まずはきちんと伝えます。そしてお互いに非を認め合い、改善していく方法をみつけていきましょう。
もちろん、お互いに嬉しい点や感謝を伝えることも大切です。人との関係をよくする上で、尊敬や感謝は必要不可欠だからです。

またバウンダリーは、時間や環境とともに変化することがあります。自分の中でそれまでとは違う感情を抱いたり、恋人の態度が変わったりしたとき、このような話し合いをしっかりと行っていきましょう。その都度お互いのバウンダリーを認識し、行動や考え方を改善していくことが、よりよい関係を築くために効果的な方法です。

バウンダリーを引けた自分を褒める

バウンダリーを引くことは、慣れるまでは勇気のいることです。恋人とバウンダリーを伝え合い、バウンダリーに従った行動ができたときは、自分自身をしっかりと褒めましょう。「こんなこと言ってわがままになってしまわなかったかな」、そう思うのではなく、「きちんと伝えられた、よかった!」と思うのです。

自分を褒めることは、自己肯定感を高めることにもつながります。自己肯定感を高めることは、恋人との関係性においてもよい影響をもたらすでしょう。誰でも、常に自信なさげな人よりも、自分に自信をもって生き生きとしている人の方が魅力的にみえますよね。

バウンダリーを効果的に引いて、パートナーと健全な関係を築こう!

バウンダリーはデリケートな問題でもあり、なかなか上手く引けない人もいるでしょう。しかしバウンダリーを意識することで、相手への接し方は変わるはずです。自分のことも相手のことも思いやることができるようになるでしょう。

恋人は、はじめこそお互いを男女として意識するところからスタートしますが、いい関係性を築いているカップルというのは、お互いのことをひとりの人として魅力的に思っています。結局のところ、お互いのバウンダリーがしっかりと引けていることが、健全な関係を築くためのポイントになるのですね。

恋人との関係性で悩んでいる人は、ぜひ一度バウンダリーを意識してみてください。きっとお互いのことを見つめ直すきっかけになりますよ。

1993年生まれ、看護師資格保有。ライターとして活動中。趣味でホットヨガ歴5年以上。
夜勤で浮腫む身体をなんとかしたいと思い、ホットヨガ教室に通い始めたらどっぷりとハマりました。
ホットヨガのおかげでしなやかな身体を手に入れ、冷え性改善も実感しています。
医療者経験を活かし、健康とヨガをつなげた情報をみなさまにお伝えします。
https://note.com/igaguri_harry