酒粕で作る「粕床」を手作りしよう!作り方レシピ・食材の漬け方・期待できる効果もご紹介!

酒粕が身体に良いことはよく知られています。酒粕を使って作る「粕床」を手作りすれば、さまざまな食材をよりおいしく食べられ、さらに日常的に腸活ができます。今回は粕床の作り方・それに合う食材の漬け方・粕漬けを食べることで期待できる効果などをご紹介します。

酒かすや麹から作る甘酒が飲む(食べる)点滴といわれ、健康・美容ともにさまざまな高い効果が期待できると話題になりました。

自宅で作って日々摂取している人もいるでしょう。酒かすというと甘酒の他に思いつくのは粕汁や魚の粕漬けです。どちらも毎日のように食べるものではありませんね。

しかし粕床があれば、魚だけでなく野菜やお肉などさまざまな食材を漬け、手軽においしく日常的に粕漬けを楽しむことができます。

今回は粕漬けに期待できる健康効果や粕床の作り方、おすすめの食材と漬け方などについてご紹介します。

粕漬けって身体にいいの?

粕漬けの元となる酒かすとは、日本酒をつくる時に搾ったあとの「残りかす」の固形成分で、発酵させる際に増えた栄養や酵母・旨みが凝縮されています。

上澄みである日本酒もおいしいものですが、寝かせた時間に育った酒かすの旨みや栄養分は日常的に活用したいもの。

魚の粕漬けや粕汁は、ほんのり香る日本酒の風味や、魚の身の艶やかでぷりっとした感じ、深いコクが出たまろやかさが魅力です。

酒かすはアスパラギン酸・旨味成分のグルタミン酸・ビタミンや食物繊維・ミネラルが豊富に含まれている栄養満点の優秀な調味料といえます。

しかしながら基本的に粕汁は、冬に時々食べるという人が多いでしょうし、甘酒も多くの人は冬の楽しみとして摂取するものといえます。魚の粕漬けも毎日食べるようなものでもありません。

栄養たっぷりな酒かすは日常的に摂りたいもの。ぬか漬けや納豆などの発酵食品のように日常食のレパートリーとして、家庭で楽しむには、粕漬けを自宅で作るのが手軽でおすすめなのです。

腸活の1つにもなりますね。

粕漬けを食べることで期待できる効果とは?

では粕漬けを食べることで具体的にどのような健康効果が期待できるのかをみてみましょう。

  • 疲労回復
  • 動脈硬化予防
  • 生活習慣病予防
  • 貧血予防
  • 肌や髪の健康維持

疲労回復

酒かすに含まれるアスパラギン酸は身体のエネルギー生産に関わるアミノ酸で、疲労回復のはたらきがあります。旨み成分も含まれます。

動脈硬化予防・生活習慣病予防

酒かすにはビタミンB2・ビタミンB6が豊富に含まれます。ビタミンB2は白米の26倍、ビタミンB6は白米の50倍近くにもなります。

ビタミンB郡は脂質や糖質の代謝を助けるはたらきがあり、生活習慣病の予防へとつながります。

また、ビタミンB2には動脈硬化の原因である酸化したコレステロールを分解するはたらきがあります。

貧血予防

酒かすに含まれる葉酸やビタミンB6には赤血球を作るはたらきがあります。葉酸が不足すると悪性の貧血となる恐れがありますが、酒かすには葉酸・ビタミンB6が豊富に含まれます。

肌や髪や爪の健康維持

酒かすに含まれる豊富なビタミンB2・ビタミンB6は爪や髪・肌の生産を助けます。肌のかさつきや目の充血、口内炎などのトラブルを防ぎ、健康維持に役立ちます。

参考:https://www.uokyu.co.jp/about/beginner/kasuduke.html

https://www.olive-hitomawashi.com/column/2019/01/ok-11.html

「粕床」があれば粕漬けをもっと手軽に楽しめる

発酵食品に関心が高く、積極的に摂りたいという人は納豆やぬか漬け・チーズ・キムチなど日々積極的に摂っているでしょう。

おいしい発酵食品は健康に関心の高い食好きな人にとってはとても魅力的なもの。

粕漬けといえば魚が定番で、スーパーでも購入でき手軽です。とてもおいしい魚の粕漬けのお店として「鈴波」が有名ですね。デパートの地下でもおいしそうなものがあります。

コクとちょうどいい甘み・旨みなど感じられてとてもおいしいのですが、毎日のように食べるにはちょっとだけ高いと感じる人も少なくないのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが、酒かすを使って粕床を自宅で作ってしまうこと。

ある程度の量を作ってしまえば魚の安い時に大きめのものを購入して、切り分けて下処理して漬けておけばたっぷり食べられ、冷凍保存も可能で便利です。

また、魚だけでなくお肉や野菜、その他好きな食材を好きなだけ漬けることができるのも魅力。

ぬか漬けを自宅で漬けている人はきゅうりや大根・人参などの野菜だけでなくチーズや食パン・アボカド・ゆで卵などの変わり種も漬けて楽しんでいるようです。

それと同じ感覚で何となく気になる食材をあれこれ漬けてみて試せますし、自宅で日常的にさまざまな食材の粕漬けを楽しむことができるのです。

また、ぬか漬けにはかき混ぜる手間や家を空ける時などの気遣いが必要ですが、粕漬けは放っておくことができるので気持ちが楽です。

粕床の作り方

それでは粕床の作り方をご紹介します。作りやすい量として、酒かす500gにしました。

用意するもの

  • 酒かす           …500g
  • 好きな味噌     …50~60g程度
  • 酒                 …50cc~100cc
  • 塩                 …大さじ1程度
  • 砂糖              …大さじ4〜5

味噌の種類によって甘め・塩分強めなど味が異なります。

味の濃さや甘さ・塩味などは味噌をベースに砂糖と塩の量で調節、形状はクリーム状や溶けやすい味噌くらいの柔らかさがベストなので、酒の量で調節しましょう。

手順

  1. 酒かす・50ccの酒・大4の砂糖・大1弱の塩・味噌を混ぜる
  2. 味と硬さを見ながら調整する
  3. 清潔な容器に入れる(使わない分は冷凍する)

ポイント

酒かすも味噌も溶かしやすい柔らかさのものもあれば、溶けにくい硬いものもあります。

酒かすが溶けにくい場合は耐熱容器に酒かすと少量の酒を加え、レンジにかけて少しあたためると溶けやすくなります。

あとは味と形状を見ながら混ぜ、塩味と甘さのバランスを自分好みに整えていきます。

材料がシンプルなので、食にこだわりのある人は良い素材を使用するのをおすすめします。味噌は好みのものを数種類混ぜてもいいですし、料理酒でなく純米酒などを使うのもいいですね。

粕床に漬けるのにおすすめの食材と、漬ける前の手順

粕床に漬ける前の下処理やおすすめの食材についてご紹介します。

魚類

まずは粕漬けといえば魚ですね。

  • 鮭の切り身
  • たら
  • さわら
  • ひらめ
  • カレイ
  • イカやエビ

さまざまな魚が楽しめます。切り身で購入して漬けるのが楽ですが、塩焼き用に塩がふってあるものはそのまま漬けてください。

下処理と焼き方

  1. 塩がふってないものは、切り身両面にパラパラと塩を振り、30分ほどバットなどに置いておく
  2. 30分ほどたつと魚から水分が出てくるので、キッチンペーパーで水気を拭き取る
  3. 容器やラップにクリーム状の粕床を塗り、その上に魚をのせ、その上にも粕床を塗り、その上にラップを敷き乾燥させないようにする
  4. 2~3日ほど置き、表面の粕を拭ってグリルで焼く。粕はとても焦げやすいため、弱火で様子を見ながら焦げそうな部分にはホイルを置いたりしてじんわり焼く

魚だけでなく、すべての食材に共通なのですが、塩の下処理が重要となります。

粕漬けは甘みが強いため、塩をきちんとしておかないと甘みが際立ったという感想を持つことになります。

塩鯖や塩鮭などは塩の下処理がしてあるので、より手軽においしく作れます。

肉類

  • 豚ロース・トンカツ用赤身など豚肉全般
  • 鶏もも肉
  • ベーコンブロック
  • ハムカツ・ソーセージ
  • ステーキ用牛肉

肉類もさまざまなバリエーションが楽しめます。魚同様、塩の処理がされていない場合は塩を強めに両面にふり、1時間ほど置きます。

水気が出ていれば拭き取り、粕床に漬けます。こちらも2〜3日置き、粕を拭い取り、ホイルに包んで弱火でじんわり火を入れます。

ソーセージやハムカツ・ベーコンブロックなどはしっかり塩がきいているので、そのまま漬けて、焼く前に粕を拭い取り、弱火で焼きます。

野菜

  • にんじん・きゅうり・大根・カブ・セロリなど好きな野菜
  • ズッキーニ
  • ミョウガ・生姜
  • 銀杏

野菜の粕漬けはその後火を通さず漬け物のように食べられます。

下処理としては、好みの大きさに切り、ポリ袋などに入れて塩を少しだけ強めにふり、袋の上から揉んで全体に塩が行きわたるようにして、冷蔵庫で1〜3日寝かせます。

にんじんやきゅうり・カブ・大根は1〜2日、ミョウガやしょうがは3日ほどと覚えてください。

寝かせた塩揉み野菜からはしっかりと水分が出ます。これを洗わずに、キッチンペーパーでしっかり水気を拭い、粕床に漬けて3日ほどしたら食べられます。

その他、豆腐やチーズなど

  • 豆腐
  • モッツァレラ・カマンベールなど好きなチーズ
  • こんにゃく
  • さつま揚げ

ここに挙げたものだけでなく、ちょっと気になったものを漬けてあれこれ楽しんでみてください。

基本的なポイントは塩気のないものは塩をして下処理・水気をしっかり拭って漬けることの2点です。

豆腐は塩気がないため、塩をまぶして水切りした後、水気を拭き取って漬けます。

こんにゃくは塩を強めに入れて沸騰させてお湯で少々湯掻いてから、水気を拭き取って漬けます。

さつま揚げは漬けたあと粕を拭って焼きます。

塩気のあるチーズ類は好みで粕を拭っても適度に残してもいいですが、オリーブオイルを垂らして食べるのもおすすめです。

粕床の保存方法とリサイクル

粕床は前述のとおり、冷凍保存が可能なため使わない分は冷凍しておきましょう。

魚や肉類の下処理でしっかり水気を拭ってあれば、粕床はリサイクルできるので同じ粕床にまた別の魚やお肉を漬けることができます。

野菜は水分が出やすいので、粕床に水分が多く混ざっていれば新しい粕床に変えましょう。

バリエーション豊かにおいしく楽しめる粕漬けを日常的にいただこう!

一度にある程度の量の粕床を作っておけば、冷凍したりさまざまな食材で粕漬けのおいしさを楽しむことができますね。

塩で下処理→水気をしっかり拭う→焼くものは弱火で焦げに気をつけて焼く、という簡単なポイントさえ押さえておけばさまざまな食材をおいしく食べられ、さらに身体にも良い効果が期待できるなんてとても嬉しいことです。

ぜひこの記事を参考に粕床を手作りし、気になる食材をあれこれ漬けて楽しんでみてください。

ゆっくりとした深い呼吸を意識しながら身体を動かすヨガ、自然由来のコスメやスキンケア、身体に優しく美味しい食事を生活に取り入れて、本来の人間の力を引き出すことを日々実践しています。
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