パートナー(夫婦)と家事・育児をシェアする方法9選!保存版

パートナーと家事・育児をシェアする方法をご紹介します。女性の社会進出が進んでいる今、パートナー同士手を取り合って家庭を支えていかなくてはなりません。ご紹介するコツを参考にして、オリジナルの分担方法を見つけてくださいね!

無償労働(見えない労働)の問題

無償労働とは、働いているにもかかわらず「市場では評価されない労働」「お金が支払われない労働」を意味します。時間や労力を使うのにも関わらず、お金が支払われることがなければ、社会的に評価されることもありません。

多くの調査では、女性のほうが「見えない労働」に悩まされることが多いことがわかっています。家事、育児、介護を休みなくおこなっているにも関わらず、対価は支払われず評価もされないのです。この見えない労働が、女性を苦しめています。

無償労働の価値は、年間で220万円に匹敵するとみられています。仕事を持っている女性でさえも、金銭価値に換算すると、男性の4倍以上の無償労働をしていることが明らかになっています。家事労働でも「過労死」する可能性が考えられている今、無償労働の問題を無視するわけにはいきません。

2014年の有償・無償労働時間の男女比率(OECD加盟国)のデータによると、日本人女性の無償労働時間は、299分と29カ国中6位と示されています。世界と比べてみても、日本人女性の無償労働時間が長いのがわかります。一方で、男性の無償労働時間は、62分と29カ国中27位となっており、無償労働時間のバランスが男女で偏っていることがわかります

これらのデータから見えるのは、日本では男性が長時間労働をし、女性が家庭での責任を引き受ける傾向にあるということ。問題は表面のみならず、根本にもありそうですね。

コロナ禍の家事と育児のシェア問題

新型コロナウイルス禍で、男女ともに自宅で時間を過ごすことが多くなった今、パートナー同士で家事・育児をシェアできる環境が整いました。しかし、いまだに女性のほうが、家事と育児において負担が大きいという事実が明らかになっています。自宅にいる時間が長いと、より家事と育児に専念しなくてはいけないと感じる女性が多いのだとか。

理由はさまざまありますが、主な原因は、社会に性別役割分業の意識が根付いているのと、そもそもシェアをする方法がわからないという声が挙げられています。

この状況で、重要になってくるのが、家事・育児シェアの考え方です。互いに自宅で過ごす時間が増えた今、これまでの考えを大きく変えて、過ごしやすい生活を築くために行動を取らなくてはなりません。

家事・育児をシェアするコツ9つ

日本人女性の社会進出率は、徐々に上がってきています。共働きの家庭が増えた時代だからこそ、家事・育児の分担を見直す必要があります。これまで「男性は仕事」「女性は家庭」という考え方に沿って社会は動いてきましたが、今は女性も働く時代。お互いに手を取り合って、家庭を支えていかなくてはなりません。

今回は、家事と育児をパートナー同士でシェアするコツ9つをご紹介します!

1. 得意・不得意に沿って家事をする

女性だからという理由で、「この仕事に優れている!」という固定観念を持つのを避けるようにしましょう。掃除や食事、物の整理などがこれにあたります。

一昔前は、男性が家族の主な稼ぎ手だったので、女性はより多くの家事をしていました。そのため、私たちの間には自然と、「女性は家事が得意だ」という考えが根付いていきました。しかし、今日ではより多くの女性が稼ぎ手になり、経済的責任を共有している家庭が多いです。こうした理由から、性別において家事の得意不得意は安易に判断できなくなってきているのです

家事をシェアする際には、自分たちの得意な仕事と不得意な仕事について話し合うようにしましょう。そして、得意な仕事と不得意な仕事を公平に分配してください。互いに得意な仕事を担当して、不得意な仕事は家事代行サービスにお任せする人も増えています。

「女性だから料理を担当する」「男性だから壊れた家具を修理する」ではなく、個人を見つめて、得意・不得意をベースに家事を割り振りしていきましょう。

2. 一緒にタスクを行う

作業を公平に分けることは、簡単なことではありません。タスクが均等に分けられているように見えても、細かい作業も含めてみれば、負担が偏っているということも...。

1人に負担がかかりすぎないようにするためには、一緒にタスクを実行してみるのをおすすめします。例えば、片方のパートナーが夕食後に皿洗いをしているときは、もう片方のパートナーはテーブルの上を片付けます。片方のパートナーが洗濯をしているときは、もう片方のパートナーはお風呂を掃除します。片方のパートナーがキッチン周りを掃除しているときは、もう片方のパートナーは排水溝を掃除するなど、一緒に作業をおこなってみてください。

一緒に取り組むことで、同じ時間を作業に費やしていることが確認できます。一緒にタスクに取り組むと、チームワークの雰囲気を作り出すこともできて、仲が深まるというメリットもあります。

3. 定期的に話し合う

性差別、家父長制、ジェンダーの不平等があなたの家庭にあるのなら、それを認めてあげましょう。認めて諦めるという意味ではありません。家庭内に潜むジェンダーの不平等は、あなたのせいでもあなたのパートナーのせいでもありません。長い間、私たちは女性・男性として、性別の役割を意識して生きてきました。社会的・文化的に形成された性別やジェンダー的価値観は、簡単に変えられることではありません。これを受け入れた段階で、パートナー同士話し合いながら、解決策を見つけていくことが大切です。カギとなるのは対話力です。

簡単なことではないかもしれませんが、「不平等である」と感じることを相手に伝えましょう。 不公平な性別の役割が、あなたの生活(そしてあなた自身の個人的な幸福)を傷つけていることを認め、それらの問題に対して取り組む価値があると伝えます。ただ感情をぶつけるだけではなく、解決に向けて改善案を出し合うのが理想です。

1回の会話で解決する問題ではありません。両方が快適な生活を送れるようになるには、何度も話し合う必要があります

毎週話し合う時間を設定して、1週間の出来事と抱いた感情をシェアすることをおすすめします。話し合う時間を定めることで、問題を真剣に受け止めることができ、変化を加えることにも一生懸命になるでしょう。話し合う内容は、些細なことでも構いません。不満だけではなく、感謝を伝えるのでも良いのです。「話し合い=ネガティブなものではない」と認識し合うことで、まずは話し合いの習慣をつくりましょう。

4. 家事・育児の分担を「見える化」する

先ほどもお伝えしたように、家事・育児を公平に分担するのは簡単なことではありません。大きな役目を果たしているつもりでも、大半の作業は片方のパートナーがこなしているというケースも考えられます。家事・育児の不平等な分担を防ぐためには、それぞれの作業を「見える化」することをおすすめします。

おすすめは、週刊誌『AERA』が提供する「100の家事タスク表」です。2人がどのタスクをこなしたかを色分けすることで、それぞれのタスクが平等なのか、それとも偏りがあるのかを見える化することができます。

項目2で「話し合うことの重要性」についてお伝えした通り、話し合いは家事・育児を分担するうえで欠かせません。しかし、ただ話し合うだけでは、解決に近づくのが難しいです。話し合いを始める前に、「何が問題なのか」をお互いに理解し合うことが大切なのです

問題が見えないままだと、感情をぶつけるだけの喧嘩になってしまうことが考えられます。「家事・育児の見える化」をすることで、問題を把握でき、より内容の濃い話し合いが進んで、解決に近づくことができるでしょう。

5. 理想の妻像を手放す

理想を目指しながら頑張ることは、決して悪いことではありません。しかし、家事と育児をするにあたって、「理想の母親像」や「理想の妻」を捨てることで、家事・育児と仕事を両立させやすくなります。

社会では、確立した性別役割分業が広まるとともに、「家事=愛」という神話が生まれました。家事は女性のものであり、愛情表現であるという認識が広まったのです。

このような考えがあると、家事・育児と仕事の両立は難しくなります。なぜなら、家事や育児を、親戚や家事代行サービスの方々に頼むことに抵抗感を感じたり、パートナーに頼むことに罪悪感を感じてしまうからです。

そのため、理想の像を持つことよりも、自分たちに適した方法にやり方を変えていくのが重要です。「妻ならば、こうするべき」などの考えを持つよりも、家庭の性格を考えて、何を捨てて何を取り入れるべきなのかを判断することで、家事と育児の負担を減らすことができるでしょう。

6. 家事・育児を自分事にする

パートナーの家事や育児の方法を絶えず批判したり、できあがった作業を修正したりするのは、なるべく避けるようにしましょう。これらの行動は、パートナーが積極的に家事・育児に従事し、率先して行動することを思いとどめてしまいます。

長期的に、パートナーが家事・育児に関わるためには、相手のことを信頼しましょう。批判したり、ただ単に正しいやり方を伝えるだけでは、相手が家事・育児を自分事に考えられなくなってしまいます。

代わりに、どうして別のやり方をする必要があるのかを説明しましょう。例えば、「洗濯物は同じ色のもの同士を洗うことで、服の色を保つのに役立つよ」「食器を使った後は、すぐに洗うことで、こびりつくのを防げるよというように説明することで、なぜ別のやり方を施す必要があるのかを相手は理解します。理解できれば、行動も変化してくるでしょう。

この方法は少し非効率なので、最初は苛立つかもしれません。しかし、パートナーが家事・育児に自信がつき、楽しくなってくれば、もっと参加してくれるようになります。長い目でみれば、パートナーが家事・育児を自分事のように考えられるようになるのは、迅速に作業を済ませられる現状よりも重要なことです。

7. スケジュールをシェアしあう

夫婦の会話のなかで、「その予定、聞いてないよ〜」などとなっていませんか。とくに、予定がいくつか入っていると、人は頭のなかですべてを覚えておくことは難しいです。そんなときに役立つのが、スケジュールを共有すること!家事・育児を夫婦でシェアするには、パートナーとスケジュールを共有するのが欠かせません。

スケジュールを共有することで、事前に互いの日程を確認でき、相手が協力しやすくなります。自分の仕事と照らし合わせて、家事・育児のために日程を調整してくれるようになるでしょう。

おすすめは、スマートフォンでもチェックできる「オンラインカレンダー」。オンラインカレンダーであれば、外出先でも日程を確認することができます。Googleカレンダーは無料で利用できて、さらに使いやすいと高評価ですよ。

8. 家事を楽にする家電を利用する

「機械に頼るのは良くない」と思っていませんか?家族や親戚からだけではなく、家電からサポートを得ることは、けっして悪いことではありません。家事を楽にする家電を利用することで、仕事と家庭を両立させやすくなります。

家事を楽にする家電を利用する前に、どの家事を楽にしたいのか優先順位をつけましょう。例えば、外食の多い家族は、掃除や洗濯などを楽にする家電を使うのがおすすめです。一方で、自宅でご飯を食べることが多い家族は、食洗機を購入するなどして、家事を楽にしていきましょう。

【家事を楽にする家電例】

9. 家事支援サービスを活用する

カップルのどちらとも家事が苦手であったり、お互いに家事・育児をする時間が取れない、家事をするのが体力的・精神的に辛くなった場合、家事代行サービスを利用するのをおすすめします。

家事代行サービスにお金を払うのに少しためらいを感じるのであれば、お金を払う対象は家事ではなく、家事を任せることで手に入る時間や体力であると考えることで、気持ちが楽になるかもしれません。

家事支援サービスを取り入れる前に、まず2人の間の優先事項が何なのかを話し合いましょう。それは、資格の勉強をしてキャリアアップすることが優先事項かもしれません。家事を業者に任せることで、家族と触れ合う時間を増やしたい人もいます。家事を任せることで、優先事項の高いことを叶えることができるのであれば、家事代行サービスを利用することを考慮に入れてみてください。

そうはいっても、かなり収入が安定している家庭でなければ、週に何度も家事代行サービスに頼むことは難しいって思いますよね。しかし、最近ではインターネット上で家事代行を提供する人や、1時間1500円という低料金ながら、質の良いサービスを提供する業者もあります。

家事代行サービスを利用して、優先事項の高いことに時間を使うことができたり、ストレスの減少が期待できたり、パートナー間での喧嘩が減ったりするのであれば、家事代行サービスを検討してみてはいかがでしょうか。

【家事代行サービス例】

家事をシェアしてゆとりある生活を!

家事をパートナー同士でシェアするうえで重要になのは、何よりも「対話力」です。家事の見える化から初めて、浮き彫りになった問題について、お互いに話し合うことが大切です。とにかく話し合うのではなく、「何について話し合わなければならないのか」を明確にすることで、より解決策に近づける対話を取ることができるでしょう。

私たちは一人一人は異なる家庭で育ち、子どもの頃に家で見てきた光景が正しいと感じる傾向にあります。このことをしっかりと認識しながら、今の自分たちの生活にあったやり方を柔軟に取り入れていく必要があります。

ご紹介した家事・育児をシェアするコツを参考にして、オリジナルの家事・育児シェア方法を見つけてくださいね!そして、パートナーとより良い関係を築いていってください。

Z世代、ハワイアンダンス、ヨガ、国際コミュニケーション学部専攻(卒)元オーストラリア留学生。「誰もが生きやすい世界」をコンセプトに世界各地のカルチャー、社会問題×ライフスタイル、メンタルヘルス×ヨガなどを中心にお届けします!
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