後輩・部下を育てるコツ7選!【教える技術】を磨こう!

後輩や部下の指導に悩む人は多いのではないでしょうか。誤った指導方法をしていると、部下が成長できないどころか、メンタルヘルスに悪影響を与えかねません。協力しながら、問題にうまく取り組んでいけるチームをつくるためには、部下の指導方法を学んでいく必要があります。

職場の人間関係がもたらすメリット

多くの企業にとって、最も重要な採用基準の1つは、チームのメンバーとして働く能力です。研究によると、共に働く人が、個人のメンタルヘルスに与える影響は大きいことがわかっています

同僚との仕事や交流を楽しんでいる会社は、困難にぶつかったとしても、チームとして協力しながら乗り越えていくことができます。協力しながら、問題にうまく取り組んでいけるチームは、成功しやすいです。チームワークが生産性を向上させて、結果もポジティブな方向に進みやすいのです。チームの幸福と成功がより優先され、忍耐、寛大さ、協力したいという気持ちが高まるメリットも挙げられます。

一方で、悪い職場関係は、負のエネルギーを生み出し、チーム全体に影響を与えます。チーム全体だけでなく、顧客やクライアントにも影響を与える可能性があります。

職場の悩みに多いのが...

職場の悩みに多いのが「人間関係」だというのは、すでにご存知の方が多いかもしれません。そのなかでも、若手社員が抱える悩みに多いのが、上司との人間関係」です同じく上司も、部下とどう付き合っていけばいいのか、どう教育をしていけばいいのか悩んでいます

上司と部下の関係を良好に保つのは、簡単なことではありません。立場を意識しすぎてしまうことにより、教え方が意識せずとも上から目線になってしまったり、価値観の違いが原因で、なかなか話を理解してもらえないなどの問題が挙げられます。

しかし、働くうえでは、上司と部下が協力しあって仕事を進めていかなくてはなりません。両者の関係が悪いと、仕事の効率が下がったり、良い結果をもたらすことができません。

そこで今回は、上司が部下と良好な関係を築くためのお手伝いとして、「後輩や部下への教え方」をご紹介します!自分と相手に適した教え方であるというものを見つけ、オリジナルの教える技術を習得してみてください。

教え方のコツ7つ

1. 相手に適した教え方をする

上司は、相手によって教え方を変える必要があります。部下を観察して、相手に合わせたサポートをしましょう。

読むことで、早く学べる人もいれば、視覚と経験から学ぶのを好む人もいます。相手が1番覚えやすく、結果を出せる学習スタイルで教えることで、部下は物事を早く習得することができます

人に教えるときは、自分の考えを優先させるよりも、相手の段階に合っているかどうかを大切にしましょう。相手を観察をして判断するのも良いのですが、部下に直接、1番学びやすい方法を尋ねるのがベストですよ。

2. 段階的に教える

相手がいる段階を考えて、教えることが大切です。

入社して1日目の新人に対して、「この場合はどうすればいい?」などと質問して成長させようとしても、大抵の人は判断することができません。段階に沿った教え方をすることで、結果を出せる人を育てることができます。

段階を教えるときに役立つ考えが、「SL理論」です。SL理論とは、「部下の習熟度に合わせてアプローチのスタイルを切り替える必要がある」という理論です。1977年にポール・ハーシーとケネス・ブランチャートによって提唱されました。SL理論では、4つの項目に習熟度を分けています。

①説明型

この段階は、初心者を対象にした段階です。何をすべきか、それをどのように実施するかを1から具体的に教えます。手順やルールなどを教える段階です。

②説得型

手順やルールを覚えてきたら、説得型に移ります。説得型では、単に指示をするのではなく、考え方や行動のフレームをつくります。例えば、「あの人が困っているときは、あのタイミングで声をかけよう」とアドバイスをします。

③参加型

業務を1人で遂行できる力があると感じたら、参加型に移ります。この段階は「自分で考えて動く力」を高めます。

質問をすることで、相手が能動的に動くのをサポートすることができます。例えば、あなたのところに部下がやってきて、「あのお客様には、どのように対応すればいいですか」と尋ねたとします。

そこですぐに答えを教えるのではなく、「どうすればいいと思う?」と質問を投げかけることで、部下が能動的に考えるのをサポートすることができます。

④委任型

業務をひと通り覚え、業務を1人で遂行できるようになったと感じたら、委任型に移ります。

ここでは、責任のある仕事を任せます。責任のある仕事を通して学んでもらいます。

このように段階を踏んで教えることで、結果を出せる人を育てることができます。

3. 生存バイアスに陥らないようにする

自分ができたことは、相手もできると思い込むことを「生存バイアス」と言います。人は、成功例を1度目にすると、経験や知識の有無に関わらず、誰もが同じ結果を達成できると考えるようになります

この生存バイアスを持ちながら部下を指導してしまうと、部下の成長をどころか、ストレスレベルを上げてしまう恐れがあります。当たり前に無茶を強いるのが続くと、部下は仕事を辞めてしまうかもしれません。生存バイアスを外して、指導するようにしましょう。

人の数だけ違いがあって、その違いを認めてあげることが大切です。違いを受け入れて相手に適した教育を施すことで、チームに貢献できる人材を育てることができます。

部下にとって適切なレベルを判断するときは、「コンフォートゾーン」「ラーニングゾーン」「パニックゾーン」の3つの考え方に沿って判断してみてください。 

①コンフォートゾーン

「快適な空間」という意味です。本人が持っている能力だけで、業務を遂行することができます。能力よりも上のことはしないため、力を注ぐ必要はありません。成長するためには、このコンフォートゾーンから抜け出す必要があります。

②ラーニングゾーン 

コンフォートゾーンの外に出ると、ラーニングゾーンがあります。今までのスタイルや持っている能力では、通用しないゾーンで、学びが必要になります。

コンフォートゾーンと比べると、ラーニングゾーンでは程よい不安を抱えることもありますが、その気持ちがあるからこそ成長します。

③パニックゾーン

ラーニングゾーンの外に出ると、パニックゾーンがあります。現在持っている能力から遠すぎて、どうすればいいのかわからない状態にあります。極度な不安を抱え、成長できないどころか、精神的なストレスを抱える危険性がはらんでいます。

本人にとって適切なレベルは、「ラーニングゾーン」です。上司は、部下がラーニングゾーンで活動できるように誘導してあげましょう。簡単すぎるのでもなく難しすぎるのでもなく、適度な不安のある目標を持つことで、部下は学びを得ることができます。

4. 技術面を指導する

心の持ちようを指導するよりも、技術面の指導を心がけましょう。心のあり方を指導しても、人の行動を変えることは難しいです。とくに新入社員や後輩にとっては、心のあり方だけを指導されても、ピンとこないでしょう。

「心を込めた接客を心がけましょう」と伝えると、笑顔で挨拶をすればいいいのか、それとも1人1人に的確な商品の説明をすればいいのか判断に困ります。部下が心を込めた接客をしても、上司からしてみれば全く「心がこもっていない」と感じるかもしれません。

こういったことを防ぐためにも、業務のやり方を指導するようにしましょう。「心を込めた接客をしてください。たとえば、商品の説明は、言葉遣いに気をつけて話しましょう」のように、技術面の指導をする意識を持ちましょう。

経験を通して心のありかたを学んでもらうほうが、新入社員や後輩にとってはベストな習得方法です。

5. 安心感を与える言葉をかける

「すぐに覚えなさい。2度も説明はしません」この言葉のような、プレッシャーを与える発言は、部下の成長を止めてしまいます。相手は焦りや不安を感じ、普段は覚えられるものも、覚えられなくなる可能性があります

  • 忘れても大丈夫だよ
  • 一度で覚えるのは難しいから、わからなくなったらまた聞いてね
  • 覚えるのは難しいと思うけど、次からは頑張って覚えよう

これらの言葉を積極的に発して、部下に安心感を与えることで成長を促すことができます。プレッシャーをかけることは、生産性に悪影響を与える可能性があるのです

初めてのことを、1度でしっかりと覚えるのは極めて難しいです。人は何かを学んだとき、20分後には42%を忘れ、1時間後には56%、9時間後には64%、1日後には67%、2日後には72%、6日後には75%、31日後には79%忘れるという、実験結果(エビングハウスの忘却曲線)があります。

つまり、人は初めてのことを1度でしっかり覚えるのは不可能で、何度も繰り返して学習することが必要なのです。

「忘れても大丈夫だよ」「わからなくなったら聞いてね」という言葉とともに、繰り返しの学習で部下の成長を促しましょう。

6. 行動にフォーカスしたフォードバックをする

叱ることの目的は、相手の行動をよい方向に向けることです。単に、「こんなの時間をかけないでできるだろ」「気が利かない!」「〇〇大学を卒業したのに、こんなのもできないのか」などの、人格や存在を否定される言葉を浴びせたところで、相手は不快な気持ちだけを抱きます。これでは、相手の行動を変えることは難しいでしょう。

「この場合は、こうすることが1番だよ」などの、フィードバックを与えることで、相手は次からどうすればよいのかを明確に理解できます。教えられたことを意識して行動に移せる人ならば、次回から行動が変化するでしょう。

叱るときは、どうすれば相手の行動をよい方向に向けることができるかを考えて、言葉を選ぶようにしましょう。

7. 過去の本人と比べる

部下の同僚と比べてフィードバックするのではなく、過去の本人の状況と比べておこなうようにしましょう。「私があなたの歳の頃にはできていた」というような言葉をかけるのも、もちろん控えましょう。

他人と比較してフィードバックを与え続けると、他人の顔色ばかりをうかがって行動する人になってしまいます。自分の本心を隠しながら生活をするようになるため、メンタルヘルスに悪影響を与えかねません。

「以前よりも、〇〇ができるようになったね!次はあの方法に挑戦してみよう」というようなフィードバックを与えることで、相手の力を健康的に引き出すことができます。

さらに、この種のフィードバックを与えることで、相手は自分のことをしっかりとみてくれていると思い、嬉しさを抱きます

過去の本人と比べる評価方法を選ぶことで、相手の力を健康的に引き出しましょう。

「教えること」を工夫して、後輩・部下を伸ばそう!

今回は、上司が部下と良好な関係を築けるよう、後輩や部下への教え方」をご紹介しました。私たちが生活をしていくなかで、人に何かを教える場面はたくさんあります。職場や家庭で、教える立場になったときには、相手の行動を引き出すような教え方を意識するようにしましょう。

「どうやって教えたらいいのかわからない」
「世代が違うので、価値観が合わない」

上記のような悩みを持つ人はたくさんいます。今回ご紹介したコツ7つを参考にして、愛のある教え方を身につけてくださいね!ご紹介したコツをベースにして、徐々にオリジナルの教え方を身につけていってください。

Z世代、ハワイアンダンス、ヨガ、国際コミュニケーション学部専攻(卒)元オーストラリア留学生。「誰もが生きやすい世界」をコンセプトに世界各地のカルチャー、社会問題×ライフスタイル、メンタルヘルス×ヨガなどを中心にお届けします!
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