初心者アーユルヴェーダ食事法入門!ドーシャ別食事や特徴を知って健やかなヨガ生活を

ヨガをしている人であれば自分の食べているものにも気を使いたいと考えている人も多いのではないでしょうか。今回は初心者の方にも分かりやすくアーユルヴェーダの食事療法について解説します。

ヨガをする人の食の本質

食べつことは、身体の中に食べ物を取り入れて自分の生きる糧にすること。また、食べることは身体にとって不要なものをデトックスすることでもあります。

私達、人間の身体や心というのは、日々食べ物によって構成され身体を作り変え続けているということ。食事が乱れることで、身体や心は乱れます。つまり、食事を正すことで身体や心のバランスも安定し、健康的な暮らしを送れるということ。

ヨガをする目的は人それどれ違いますが、どれだけヨガをしても食べるとうい行為そのものが今の自分そしてこれからの自分を作り上げるのだから、やはり食べ物には気を使いたいですよね。

世界最古の伝統医学アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダとは

ヨガをしている人も、していない人も「アーユルヴェーダ」という名前を耳にしたことはあるという方も多いかもしれません。しかし、実際「何なのか」とういうことは知らないという方も。古代ギリシアで生まれ、現在はインドやパキスタンで栄ているユナニ医学、中国発祥の中国医学と共に世界三大伝統医学の一つとして知られているアーユルヴェーダ。インドが発祥で、5000年以上の歴史を持つ世界最古の伝統的医学です。サンスクリット語のAyuh(生命・寿命)とVeda(科学・知識)という言葉が組み合わされており、現代においても実践的な生活健康法として受け継がています。

 人間が本来持っている自然のエネルギーのバランスが私たちの心そして身体に影響を及ぼすというのが根本的な考えで、その自然のエネルギーな働きかけるのがアーユルヴェーダです。

西洋医学との違い

アーユルヴェーダでは、西洋医学のように病気の症状を取り除くことは目的とされていません。より健康に、長寿や若さを保つことを目的とした予防医学。食事法(医食同源)・健康法(ヨガや瞑想)といった手段を使い、心身の健康を保つ方法なのです。

ドーシャを知ろう

ドーシャとは

アーユルヴェーダでは、自然のエネルギーから私たちの身体が構成されていると考えられています。そのエネルギーが「ドーシャ」。
「ドーシャ」とは、「不純なもの」「病素」という意味があり、私たちの心身の変化に関係していると言われます。
 
私たちを構成する「ドーシャ」には、「ヴァータ(風)」、「ピッタ(火)」、「カ
パ(水)」の3つがあります。
ドーシャ 特徴
vata(ヴァータ) 「空」、「風」の要素。運動・循環・異化作用を表す。体内では、血液循環や心臓の脈動、などあらゆる「動き」のこと
pitta(ピッタ) 「火」、「水」の要素。血液循環、代謝機能、消化吸収、体温の変動や視力など物事を理解する知性などの要素を表す。
kapha(カパ) 「水」、「地」の要素。安定、生長、維持、免疫、同化作用を表す。

ドーシャのバランスを保つことが真の健康

人間は、3つすべてのドーシャを持っていると言われていますが、多くの人は3つのドーシャの内、1つもしくは2つの優勢なドーシャがあると言われています。それは、季節による体調の変化や、心身の状態、個人の性質、年齢などによってドーシャのバランスは変化してきます。

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アーユルヴェーダの世界では、この「ドーシャ」のバランスの取れた状態を健康と位置付け、バランスが崩れると健康を損なう状態になると考えられています。更に、身体の状態はこころの状態からもくると考えられており、心身の相互関係も大切にされているのがアーユルヴェーダの根本的な考え方です。つまり、この3つのバランスをよくしていくことが、アーユルヴェーダの目指しているものというわけです。

各ドーシャの特徴

・ヴァータ

ヴァータの代表的な特徴は「アンバランス」。食欲や消化機能が不規則。いくら食べても太らない、いわゆる「痩せの大食い」。忙しかったり落ち込んでいたりすると、食欲がなくなったり、不規則な生活を送るようになる。便秘になりやすく、女性の場合は生理不順になりやすいことも。

ヴァータの身体的特徴

  • 痩せ形
  • 骨ばっていて血管、じん帯が浮き出ていることも
  • 間接がポキポキなる
  • 身長が極端に高い・低い
  • 胴体に対して手足が極端に長い・短い
  • 歯並びが悪い
  • 乾燥しやすい
  • 目がキョロキョロ動く

ヴァータの心理的特徴

  • 変化を好み、たくさんのことに興味を持つ
  • 新しいことにすぐとびつく
  • 飽きっぽい
  • フットワークが軽い
  • スタミナがない
  • 気まぐれ
  • 優柔不断
  • 環境に馴染みやすい
  • 変化に敏感
  • 知らない内にストレスを貯める
  • おしゃべり好き
  • 落ち着きがない
  • 心配性
  • 人の目が気になる
  • 眠りが浅い

ピッタ

代表的な特徴は「燃えている」こと。食欲が旺盛で、消化力が高い。お腹が空いているとイライラしたり怒りっぽくなるのも特徴。便通は良い。ピッタが乱れると胸焼けや下痢などが起こる。生理トラブルはなく、ピッタのバランスが取れている人は生理痛がない。

ピッタの身体的特徴

  • 中肉中背
  • 筋肉がつきやすく柔軟
  • 負けず嫌い
  • 運動神経が良い
  • 暑がりで汗っかき
  • 代謝が良い
  • 肌ツヤが良い
  • オイリースキン
  • バランスが悪いと吹き出物や赤い発疹がでる
  • シミ、そばかすがほくろができやすい
  • ストレスで白髪や抜け毛などの問題に直面しやすい

ピッタの心理的特徴

  • チャレンジ精神旺盛
  • 意思が強い
  • 頑張りすぎてしまう
  • 大きな病気をしてしまう
  • 計画的
  • リーダーシップ

カパ

カパの代表的な特徴は「安定」していること。食べることが好きだが、食べる量は少なめ。スタミナがあり、断食に向いているのがこのタイプ。二人安い体質で水分を取りすぎたり、寝過ぎ、またホルモンバランスの変動によりむくみやすい。生理周期は安定している。

カパの身体的特徴

  • 骨太で脂肪がつきやすい
  • 関節の動きがスムーズ
  • 皮膚が厚い
  • もちもち肌
  • 色白で日焼けをすると赤くなる
  • ボリューミーな髪の毛
  • まつげが長く目が大きい
  • 歯が丈夫
  • 歯並びが良い
  • 声がきれい

カパの心理的特徴

  • ゆっくりのんびりやさん
  • 愛情深く献身的
  • 信頼している人には優しく、その人のために尽くす
  • 美食家で母性的
  • 平和主義
  • 忍耐力がある
  • 忘れづらい
  • 穏やかで安定している
  • バランスが崩れると無気力になり、楽な方を選びがちに
  • 執着心が強い
  • 根に持つ
  • 貪欲

アーユルヴェーダ的食事法

ドーシャのバランスを保ち健康的な心と身体を保つための三つの柱を「食」、「睡眠」、「性行為」とアーユルヴェーダでは説きます。得に、食は重要。日々、私達は口にしているものから栄養とエネルギーを得ています。その食材を取り入れることによって、身体の中でどのように反応するのか人によって異なるため、食材の持つ性質やカロリーよりも、自分を知って自分に適した食事を送るようにすることがアーユルヴェーダの基本的な食事法と言ってよいでしょう。

ただし、「自分は○○な体質だから、これでなければ」と固執した考えを持つことはおすすめできません。先述した通り、体質は季節や環境、また年齢にとっても変化していきます。大切なのは「今」の自分を知ることです。

ヴェーダ体質の人に合った食事法

ヴァータの気質が強い人は冷えやすいため、生野菜や冷たい食べ物をさけて温かいもの、また消化に良いものを取るようにしましょう。
食事中も、気分をリラックスさせて、ゆっくりと食べることが大切です。
食生活が不規則になりがちな人が多い傾向ですが、朝食はしっかりとり、昼食を多めに、夜は軽く済ませると良いです。間食に甘いものを取ることもこのタイプの人にはおすすめ。

ピッタ体質の人に合った食事法

ピッタ体質の人は食欲旺盛な場合が多く消化力も高いのが特徴。体温調節がうまく出来ず、熱を溜めやすいダム冷たいものを取るように心がけましょう。

熱性のある食材や辛いスパイスなどは控えた方がよいとされ、塩分の多い食事もピッタを増やすことになります。ピッタを静める味は、甘味、苦味、渋味であり、野菜中心の食生活や果物を多くとることがおすすめ。

カパ体質の人に合った食事法

カパの人は脂肪をためやすく、太りやすいので、バターやチーズ、油っこいものは避けるのが無難。

なるべく苦味や渋味、辛味を重点的に、炒めたり、温めたりした食事をとるのがおすすめ。また甘味の摂り過ぎにも気をつけないとならないので、果物は甘味・酸味の強いものは避け、渋味があるものを選ぶと良いでしょう。

作りたての食事をとる

食材それぞれには「プラーナ」と呼ばれるエネルギーが流れているため、加工食品、ファーストフード、また残り物などは消化機能や代謝を乱す原因と考えます。

健康を保つために、作りたての食事を適量食べることがおすすめ。

6種類の「味」を一つの食事に

アーユルヴェーダでは一つの食事には、「甘味」、「酸味」、「塩味」、「辛味」、「苦味」、「渋味」の6種類の味を食べるように心がけます。味覚には五元素(空・風・火・水・地)が組み合わさっていて、各味覚はドーシャと繋がって影響を与えます。

難しく考えることはなく、一般的な家庭の食卓で6種類の味を食べることは再現できます。例えば、ご飯(甘み)、味噌汁(塩味)、漬物(酸味)、ピリ辛の炒めもの(辛味)、青物野菜のおひたし(苦味)、豆の煮物(渋味)など。

味わって食べるマインドフルイーティング

食べ物がどんな味か意識を向けて食べていくと、「今」の自分がどんな味を好んでいるのか、もしくは嫌っているのかということに敏感に。今の自分のドーシャの体質や乱れているドーシャにも気付けるようになります。

アーユルヴェーダ レシピ集

アーユルヴェーダの智慧をかりて健やかに

アーユルヴェーダの食べ方は、心身のバランスがとれて健康的に暮らせるようにする一つの手段です。是非、食べることを見直して健康的な暮らしを実現していきたいという方は参考にしてくださいね。

シンガポール在住8年フリーランスライター・ヨガインストラクター (全米ヨガアライアンスRYT200保持)。
WEBメディアを中心にライフスタイル、トラベル、ヘルスケア、エコについての執筆を手掛けながら、トレンドを取り入れつつそれぞれのニーズに合ったヨガクラスを当地で開催。
東洋と西洋の文化が集まるシンガポールからヨガや健康、ロハスなライフスタイルなど海外のトレンドをお届けします。
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