ヨガインストラクター「マリスデッジナー」が全米に勇気と希望を与えた理由。Netflix「IamMaris (アイアムマリス)」が今話題!

容姿に対しての悩み、人間関係に対する不安など抱えている女性は多いかもしれません。アメリカ人の若きヨガインストラクターのMaris Degener(マリス・デッジナー)もそんなどこにでもいる女性の一人。彼女は、ヨガを通して「摂食障害」や「パニック障害」、「不安症」を乗り越え、その軌跡は多くの女性に勇気と希望を与えました。今回は、そんなMaris Degenerの軌跡についてご紹介します。

全米が注目した若きヨギーニ・Maris Degener(マリス・デッジナー)

Maris Degener(マリス・デッジナー)とは

全米で注目されている若干20歳の若きヨギーニ・Maris Degener(マリス・デッジナー)は北カリフォルニアで活躍するヨガインストラクターです。
 
どこにでもいる少女が全米で注目されるようになったのは、マリスが16歳の頃に始めたブログ「yogamaris(ヨガマリス)」がきっかけでした。
 

ブログを始めたのはマリスが最年少ヨガインストラクターになるよりも以前に抱いていた思春期の女の子なら誰しもが悩むであろう容姿や人間関係の悩みを打ち明け、同じような問題を抱えている人々の力になりたいと思ったから。

自分の居場所が家でも学校でも見つからず、パニック障害や摂食障害を抱えていました。やがて摂食障害によって衰弱した身体を抱えた彼女は入院生活を強いられます。入院した日は「母の日」でした。

家族の支えもあり身体も徐々に回復の兆しは見えたけれど心は不安定のまま。

そんな時に、自宅の近くにたまたま新しいヨガスタジオ「Just be yoga(ジャスト・ビー・ヨガ)」ができます。主治医から「気分転換になる」と勧められて、マリスの心に変化が現れ始めます。

Netflixオリジナルムービー「I am Maris (アイ・アム・マリス)」が話題に!

マリスのヨガを通して起こった軌跡をまとめたのがNetflixオリジナルムービーの「I am Maris(アイ・アム・マリス)」です。美しい若きヨギー二のマリスのこれまでをまとめたドキュメンタリー映画は、多くの女性に勇気と希望を与えました。
 
マリス本人のインタビューに加え家族やヨガ関係者のインタビューを交えた構成は、当事者だけでなく周りの人の視点からも語られる物語となっていてリアリスティック感が増す内容となっています。

どこにでもいる少女マリスが全米に勇気と希望を与えた理由

・容姿に対する不安

マリスは小さな頃からメディアが作り出す世の中の「女性の美しさはこうあるべき」という偏った見解に苦しんでいました。

「細いのが美しい。」メディアが作りあげ社会が思う美しいというイメージに自分が当てはまらない。

敏感で繊細なマリスが偏った見解に対して間違えではないけれど、それだけが正しいわけではないということに気づくにはあまりにも若すぎたのです。

日本でも、1990年代後半から10~15歳の前思春期年齢でも「摂食障害」を発症する患者が増加していると言われています。

理由の一つには「太る」ことへの恐怖や間違ったダイエット法が挙げられます。

食べないで痩せる。身体が本当に必要としている栄養素を取らずに食事制限をする。太っていないのに自分よりも痩せている人と比べて無理なダイエットをする。

周りと比べてしまえばキリがありません。マリスはヨガを通して自分を認める「自己受容」や本当の美しさは外側ではなく内側からくるものということに気づきを深めていく姿は、多くの女性の気づきに繋がったのではないでしょうか。

・周りからのプレッシャー

マリスは人間関係にも悩みを持っていました。13歳で入院生活を送るまで水泳の強化選手でもあったマリスは、周りからの見えない期待に苦しんでいたのです。 

期待されることは嬉しい。
期待されている分、頑張らなくては。
 
そんな期待はいつしか強いプレッシャーとなりマリスを苦しめるようになります。結果を求められる競技や仕事の世界では見えない圧力に苦しみ、ストレスに負けてしまう方も少なくありません。
 
ヨガを通してストレスとの付き合い方や解消方法を見出したマリスは自分の価値は結果を出すことだけではないということに気づき始めます。

・自分が好きになれない…

容姿に対するコンプレックスや周りの期待に応えられないかもしれないという思いは、自分を好きになれないに繋がります。 女性はこうでなければいけない。

美しい身体とはこういうものだ。賢く強くあるべきだ。マリスにそんな偏った狭い社会の価値観に気づかせてくれたきっかけはヨガです。自分自身と向き合いありのままの自分を受け入れる事で少しずつ進み始めたマリス。
鬱や摂食障害と言ったメンタルイルネスには必ずしも終わりがあるとは限りません。忘れた頃に再発するということもあります。マリスはそれを受け入れた上で、少しでも前進しようとする姿は、同じような病に苦しんでいる人々の背中を押したことは間違いありません。

ヨガはメンタルヘルスにプラスに働く理由

リフレッシュ効果と集中力を高め自己受容するきっかけに

ヨガがメンタルヘルスにもたらす効果については今までに様々な研究で明らかになってきました。

ヨガの大切なポイントは呼吸を意識すること。呼吸と連動してポーズをとっていくことでリラックスと集中力を高めていくことができます。
また普段の座る、立つ、歩く、走ると言った日常生活では使わない筋肉群を意識的に使うポーズも行うため見た目とは異なり運動量も多く眠っていた身体を呼び覚ますことて心身をリフレッシュさせてくれる効果も期待できます。

集中力を高め心身を高めることによって、自分自身や周りへの気づきを深めることができるようになり穏やかな気持ちを保つことができるように。

ヨガの教えには、「アシュタンガ=八支則」という8つの段階・行法があります。聖者パタンジャリが説いたヨガの経典「ヨーガ・スートラ」の中に出てくる、ヨガ哲学の基本的な教えがこのハ支則です。 

このハ支則の最終段階でヨガの最終目標となる「Samadhi(サマーディ)・悟り」です。つまり、ありのままの自分を認めることに繋がるのです。

「悟り」の段階まで到達することは、そう簡単にはいきませんが、ヨガを実践することで心身を健康に保ち、自己受容に繋ぐことも期待できます。

 

メンタルヘルスを向上させるポイント

・呼吸法

ヨガで行われる呼吸方法は腹式呼吸と呼ばれる呼吸法。鼻から息を吸っておなかの下腹部を意識しながらゆっくりと鼻から息を吐き出します。
 
呼吸に連動してヨガのポーズをとっていくことで集中力を高める効果があると言われます。呼吸に意識が向いていない場合ポーズをとっていても、考え事に思考を巡らせてしまったり、ポーズがぐらつく、正しいアライメントでポーズが取れずポーズの効果が半減もしくはマイナスになってしまうことに繋がります。
 
呼吸法はヨガのポーズを取る上で最も基本的で重要と言えます。
 
また呼吸は私たちの自律神経とも密接な関係があるとも言われています。私たちの身体の中には、交感神経と副交感神経という二つの自律神経が流れていますが、この自律神経のバランスを崩してしまうことで自律神経失調症などに繋がり精神面に大きな影響を及ぼすとも言われています。
 

鼻呼吸では鼻から息を吸う時は交感神経を刺激し身体をアクティブな状態に導きます。そして吐くことは逆に副交感神経を刺激し、身体をリラックスした状態に持っていきます。

ヨガの鼻呼吸では、吸う時と吐く時のバランスを均等にすることで自律神経のバランスを整えていきます。

 

またヨガの世界では呼吸が長ければ長いほど長生きするとも言われています。焦っている時、イライラしている時は呼吸が早く浅くなりがちに。そんな時は深呼吸をするだけでも気分が落ち着きますよ。

 

・ヨガのポーズ

ヨガのポーズを取ることで筋肉を緊張と緩和させ歪みを正していきます。身体と心も密接な関係があり、身体が歪んでいることはメンタルヘルスにも大きく影響します。

身体がだるい時、疲れている時はイライラしてしまいという方も少なくないはず。

ヨガでは自分では気づかない部分的なコリなどに気づくことができ、続けることで改善されていきます。

  • チャイルドポーズ
背中の緊張を緩め気持ちを落ち着かせる効果がある「チャイルドポーズ」。
 
  1. 正座の姿勢になる
  2. 両手を前に伸ばし、おでこを床につけて全身の力を抜きます。(でこが床につかない場合は両手を組んだ上におでこを乗せる。)

チャイルドポーズ

  • 子犬の伸びのポーズ
肩こりや首こりなどにも効果的な「子犬のポーズ」は、デスクワークやスマホ首に悩む方におすすめです。
 
  1. 四つん這いの姿勢になる
  2. 手をマットの前方に歩かせて胸部をリラックスさせて床に近づけていき、額をマットの上におく
  3. 首のストレッチを深めたい場合は、顎をマットに乗せる
  4. 息を吸いながら、腰を背後の壁に向かって引き上げながら、胸部をゆっくり床に近 づけてストレッチを深める。

子犬の伸びのポーズ

  • ガス抜きのポーズ
腰痛の緩和や全身の疲労を回復するポーズ「ガス抜きポーズ」。
 
  1. 仰向けになり、両手で両足を抱える。
  2. 息を吐きながら両足を両手で胸に近づけながら頭を膝に近づける
  3. 目線はおへそ。
  4. 息を吸いながら、1に戻る
  5. 呼吸に合わせて繰り返す

ガス抜きのポーズ

瞑想

頭がパンパンだっだり心に余裕がないときほど瞑想で頭を休ませてあげることで、メンタルに良い効果をもたらしてくれます。瞑想は難しいと思われる人も多いと思いますがスマホアプリなどを利用するのもおすすめです。毎日5分程度から始められるスマホアプリの瞑想は習慣化しやすいですよ。

無料アプリで自宅で職場で瞬間メンタルケア!瞑想・マインドフルネスアプリ厳選3選 

ヨガで心身ともにハッピーライフを送ろう

まだ20歳のマリス・デッジナーは、自分自身の経験をシェアして多くの人に勇気や希望を与えました。 

たくさんの人々がマリスのおかげでヨガが自分の人生を良い方向に導き、ポジティブに生きることに繋げてくれるきっかけづくりにもなったとも言われています。

情報社会の忙しい現代人にとってストレスは切っても切り離せません。情報の波に惑わされストレスをほおっておくことは、私たちのメンタルに決してヘルシーな状況とは言えないことは誰しもが予想できること。手遅れになる前に是非ヨガで心身の健康のケアをしてみてはいかがでしょうか。

シンガポール在住8年フリーランスライター・ヨガインストラクター (全米ヨガアライアンスRYT200保持)。
WEBメディアを中心にライフスタイル、トラベル、ヘルスケア、エコについての執筆を手掛けながら、トレンドを取り入れつつそれぞれのニーズに合ったヨガクラスを当地で開催。
東洋と西洋の文化が集まるシンガポールからヨガや健康、ロハスなライフスタイルなど海外のトレンドをお届けします。
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