意識するとポーズが安定!ヨガの「バンダ」って?種類や練習法をご紹介

アーサナ(ポーズ)を行う時、柔軟性だけでなくバンダを意識して身体の軸を感じることが大切です。バンダの種類・効果と練習方法をご紹介します。

バンダとは?

バンダとは、サンスクリット語で「ロックする」「締め付ける」「制御する」という意味があります。

身体の部位を締め付けることで、プラーナという生命エネルギーを外に逃さないように体内にとどめ、循環・コントロールしながら、さらにエネルギーを高めるというテクニックです。

感覚的なものなので、経験を積まないと分かりにくいですが、単独でポイントを抑えて練習をするとコントロール出来るようになります。

バンダの効果

バンダのコントロールが出来るようになると、体内のエネルギーが調整され、下記のような効果が得られます。

・身体の軸が感じられ、アーサナ(ポーズ)が深まる

・呼吸が深まる

・集中力がアップする

・エネルギーの巡りが良くなり、心身が活性化される

・ホルモンバランスが整い、心が安定する

・血液循環が良くなり、身体が温まる

・新陳代謝が上がり、デトックス効果を促す

・内臓を刺激して内臓を強化する

・筋力強化

・姿勢改善

代表的な3つのバンダと練習方法

①ムーラバンダ

https://www.stylecraze.com/articles/sukhasana-easy-pose/#gref

 ムーラとはサンスクリット語で根、ルーツという意味があり、身体の土台を作り心身を安定をさせます。肛門と生殖器の間の会陰部あたりの骨盤底筋群に位置していて、肛門を締め骨盤底筋群を収縮することでムーラバンダがロックされます。お手洗いに行きたいのを我慢している時のような感覚、というと分かりやすいと思います。

ムーラバンダは、下方に流れるエネルギーを制御するという役割があります。うまく締め付けが出来ていないと、排泄機能や内臓機能が正常に働かなくなります。膀胱や尿道などの締まりが悪い場合は、このムーラバンダの締め付けを意識してみましょう。

ムーラバンダの締め方

①安楽座または正座で座る。この時、左右の坐骨に均等に体重が乗るように座る。

②鼻から息を吐き切る。

③鼻から深い吸う息で骨盤底筋群を上に引き上げるようなイメージで、おへその方向に引っ張り上げる。

④骨盤底筋群を上に引き上げたまま、苦しくならない程度に息を止める。(目安は5〜15秒)

⑤ゆっくりと鼻から息を吐きながら、骨盤底筋群の締め付けを緩める。

①〜⑤を5回繰り返します。慣れてきたら、回数を増やしたり、四つん這いや立位など姿勢を変えて行なってみましょう。

 

効果

・ホルモンバランスが整う

・姿勢が安定する

・精神的、感情的な安心感、満足感

・排泄機能、内臓機能の活性化

 

オススメのアーサナ

・山のポーズ

・英雄のポーズ1

・花輪のポーズ

大地とつながりを感じる立位のポーズ、スクワットなどしゃがむポーズがオススメです!

 

②ウディヤナバンダ

 https://yoganride.com/cosa-sono-i-bandha-e-come-si-fanno/
サンスクリット語で「上がる」「上昇する」「引き上がる」という意味のウディヤナバンダは、みぞおち〜丹田のあたりの太陽神経叢に位置すると言われています。お腹を凹ませて上方に強く引き締めておへそを引き上げ、胸郭を大きく広げます。
腹筋だけでなく横隔膜を使って腹圧を高めることでコルセットをしたような感じになり、体幹や胸郭、頭が安定されます。お腹を締めることで肺が使いやすくなるので、呼吸のサポートにもなります。

ウディヤナバンダは、ムーラバンダとの関連性が非常に高いです。腹部で貯めたエネルギーがムーラバンダの骨盤底筋群でロックされていないと、体内のエネルギーが下方に抜けてしまいます。

ウディヤナバンダの締め方

①腰幅より広めのスタンスで立つ

②膝を少し曲げ、両手を太ももの上に置いて前かがみになる。

③尾骨を内側に入れるようにして、鼻から息を全て吐き切り、一度息を止める。

顎を引いて首を安定させ、おへそを見る。肘を伸ばしておへそをみぞおちの方向に凹ませながら引き上げ、胸郭を広げる。苦しくならない程度に息を止める。(目安は5〜15秒)

⑤バンダを緩めながらゆっくり腹部に呼吸を届けるように息を吸う

①〜⑤を5回繰り返します。最初は、腹部を引き締めたり、胸郭が大きく広げるのが難しいと思いますが、ウディヤナバンダがコントロール出来るようになると下記のような嬉しい効果があります!繰り返し練習して感覚を掴みましょう。

 

効果

・姿勢が良くなる

・便秘、消化不良の改善

・内臓の位置の調整

・太陽神経叢を刺激して、自律神経を整える

・体温調節や代謝アップ

 

オススメのアーサナ

・半魚王のポーズ(座位のねじり)

・船のポーズ

・牛の顔のポーズ

腹筋に働きかけるポーズ、消化器系に働きかける前屈・ねじりのポーズがオススメです!

 

③ジャーランダラバンダ

https://embodimentetudes.com/2016/08/22/jalandhara-bandha/

サンスクリット語で「喉」を意味するジャーランダラバンダは、胸鎖乳突筋を収縮して顎を締めることで首回りのプラーナの制御を行います。これにより、首の動きをロックし、首を強化して呼吸を行いやすくします。

顎を引くと、首の後ろの筋肉が伸びて呼吸が通りやすくなります。逆に、顎が上がった状態は、腹筋の力が抜けて腹圧が低下しやすくなり、背中が丸まり呼吸が浅くなるのです。腹圧を高めて正しい顎の位置を保つと、姿勢だけでなく呼吸の質も良くなるので、ジャーランダラバンダを意識することはとても重要です。

ジャーランダラバンダの締め方

安楽座または正座で座る。背骨が丸くならないように、まっすぐ伸ばす。

②鼻から大きく息を吐き切る。

③ゆっくりと胸いっぱい鼻から息を吸って止める。

④息を止めたまま、苦しくない程度に顎を鎖骨の方向に引く。

⑤顎を引いたまま、喉の奥の締め付けを「ハァー」と緩めるように口から息を吐く。

①〜⑤を5回繰り返します。口から息を吐く時は、窓ガラスを曇らせるようなイメージで行なってみて下さい。慣れてきたら回数を増やしてみましょう。

 

効果

・喉の前面を刺激して、ホルモンバランスを整える

・喉の後面を開いて、リラックス

・頭の位置が正しくなる

・平和的で協調的な考え方が出来やすくなる

 

オススメのアーサナ

・肩立ちのポーズ

・橋のポーズ

・ラクダのポーズ

喉を圧迫して刺激する逆転のポーズ、甲状腺や喉の前側を開く後屈のポーズがオススメです!

 

3つのバンダを同時に意識するマハバンダ

ムーラバンダ、ウディヤナバンダ、ジャーランダラバンダの3つを同時に行うことをサンスクリット語で「マハバンダ」と言います。直訳すると「偉大なる締め付け」という意味があります。アーサナをとる時や瞑想を行う時にこのマハーバンダを行うと、より安定した深い呼吸とグラウンディングを感じることが出来ます。

まとめ

目に見えるものではないので、感覚を掴むのが難しいバンダ。ですが、コントロール出来るようになると、アーサナを行なっている時に全身にエネルギーが満ちて、肉体の微細な変化を感じやすくなり、アーサナの安定感が格段に上がります!また、筋肉強化、姿勢改善、内臓機能の活性化など嬉しい効果がいっぱいです。ぜひ今日からバンダを意識してみましょう。

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ヨガ歴10年。通っていたスポーツクラブで初めてヨガレッスンを受けたあと、心身共にすっきりとした感覚に感動したことがきっかけでヨガに魅了される。
ヨガインストラクターの資格取得後、某ヨガスクールにて養成講座を担当。
全国に100名以上のインストラクターを輩出する。その後、フリーヨガインストラクターとして、都内・横浜を中心にヨガクラスを担当。
ポーズを取ることを目的にするのではなく、ポーズを取る過程でマインドの変化を味わうことを重視している。