炭水化物は何g以上摂ったら太る?適切な減らし方解説!不足し過ぎのリスクも・・・

こんなに食べたいものを我慢しているのになぜ太るんだろう、と疑問に思うことはありませんか?それはもしかしたら、ほかの食べ物は減らしても炭水化物を摂っているからかもしれません。同じ食べ物でも、体重に影響のあるものとないものがあるからです。その点、炭水化物は体重と直結する栄養素なのです。逆に言えば炭水化物をカットすれば、ダイエットすることもできるわけです。そこでここでは炭水化物は何g以上摂ったら太るのか?炭水化物をどのように減らしたら痩せるのか?について解説して行きます。

医師の見解!炭水化物の必要摂取量は?

この記事をテーマを解説するためには、人間の標準的で健康的な生活をするために必要な1日の炭水化物の摂取量をお伝えする必要があります。それは以下のような方法で知ることができます。

1日に必要なカロリー量は?

炭水化物の必要量を知るには、その人が内臓を活動させ、身体を動かし、脳を働かせるために必要な1日のエネルギー量を算出することが必要です。その数値は以下の2つの数字から出すことができます。

まず日本医師会が公表している、人間の1日の「標準基礎代謝量」は以下の通り年齢と性別によって決まっています。基礎代謝量とは、まったく身体を動かさず、脳も働かせないでいても、心臓や内臓が動くことだけで消費するエネルギー量のことです。

  • 18-29歳 男性1520kcal 女性1110kcal
  • 30-49歳 男性1530kcal 女性 1150kcal
  • 50-69歳 男性1400kcal 女性 1110 kcal

ですのでたとえば25歳の女性であれば、1日に1150kcalのエネルギー量が基礎代謝量になります。

この数字と合わせてもう1つ考えなければならないのが、その人が1日にどの程度身体を動かすのか、ということです。これを「身体活動レベル」と言います。それは以下の通りです。

  • レベル1:生活や仕事の大部分を座ったままで行い、1日中ほとんど身体を動かさない人の場合 1.50
  • レベル2:仕事は座ったまますることがほとんどだが、たまに立って荷物の整理をしたり、歩いて他の部署に行ったりする人の場合 1.75
  • レベル3:接客業や工場のラインの仕事のように、1日中立ったまま仕事をしたり、外出して歩くことがかなり多い仕事をしている人の場合。あるいは、レベル1やレベル2の人でアフター5にジムに寄って毎日身体を動かしたり、自宅でジョギングをしたり、週末にしっかり運動をしたりする場合 2.00

この2つの数字を以下の通り掛け合わせると、1日の必要エネルギー量が算出できます。

基礎代謝量 × 身体活動レベル = 必要エネルギー量

ですからたとえば、25歳の女性で会社ではデスクワークが中心で、運動はほとんどしない人の場合は、以下の数字になります。

1150kcal × 1.50 = 1725kcal

※参考:日本医師会「健康の森」

カロリーの50%から65%が炭水化物の標準

そしてこの1日の必要エネルギー量がわかったら、そこから標準的な炭水化物の摂取量が算出できます。それは以下の式によります。

必要エネルギー量 × 50~65% = 炭水化物で摂る標準的なエネルギー量

炭水化物で摂る標準的なエネルギー量 ÷ 4kcal = 炭水化物の標準的な摂取量 

この式の意味は、まず1つ目は、炭水化物で摂る標準的なエネルギー量は1日の必要なエネルギー量のうち、50~65%を炭水化物で摂取することが標準的、ということです。

2つ目は、炭水化物は1gで約4kcalのエネルギーを算出するということです。

ですので、先ほどの25歳の女性の例では、炭水化物の標準的な摂取量は以下の通りになります。

1725kcal × 50~65% = 862.5~1121.25kcal

862.5~1121.25kcal ÷ 4kcal = 215.625~280.3125g

したがって大まかに言って、この人は1日に215~280gを炭水化物で摂取するのが標準的、ということです。この215~280gの炭水化物を摂っていれば、原則として太りも痩せもしないで、現在の体重を維持できる、というわけです。

炭水化物は何g以上摂ったら太る?

では炭水化物の標準摂取量が分かったところで、次に、気になる、炭水化物を1日に何g以上摂ったら太るかという話に移りましょう。

炭水化物で太るって本当?

炭水化物は糖質と食物繊維でできていいます。このうちの食物繊維は0カロリーで、胃腸で消化も吸収もされませんが、糖質の方は過剰に摂取すると太る原因になります。その仕組みは以下の通りです。

お米、麺類、パンなどに多く含まれる炭水化物のうち、糖質は口から食べて胃腸で消化吸収されると、血液に乗って体内の隅々まで運ばれてそこでエネルギー源になります。しかしその血液中の糖質の濃度、つまり血糖値が高いと血管を傷つけ身体のトラブルをもたらしてしまいます。

そのトラブルを防ぐために、血糖値が高いとインスリンという物質が分泌され、このインスリンが血液中の糖質を脂肪に変えて、体内に蓄積し、血糖値を下げます。つまり血糖値が下がることと引き換えに、体内に脂肪が溜まり、結果的に太ってしまうのです。

炭水化物は何g以上摂ったら太る?

では炭水化物をどれだけ摂ったら、体内に脂肪が蓄積されてしまうのでしょうか。それは、1日の必要エネルギー量のうち、どれだけを炭水化物で摂取するかによって決まります。具体的には以下の通りです。

  • 65%以上 太る
  • 50~65% 体重維持
  • 40~50% 痩せる
  • 40%以下 身体にトラブルが起こる

つまり先ほどの25歳の女性の例でいえば、

1日に必要なエネルギー量 1725kcal × 65% = 1121.25kcal

1121.25kcal ÷ 4kcal = 280.3125g

となります。つまり炭水化物を280g以上摂ると太る可能性が高まる、ということです。これはお米に換算すると、お茶わんで約5膳分です。 

炭水化物が不足するとどうなる?

逆に、炭水化物を1日の必要なエネルギー量の40%以下しか摂取しない場合、身体にトラブルが起こります。それは以下のようなトラブルです。

糖質が不足すると?

痩せにくい体質になる

炭水化物のうちの糖質は身体や内臓や脳が働くためのエネルギーになります。しかし糖質が不足した状態のままでいると、人間は身体を動かすエネルギーや内臓を活動させるエネルギーを、体内の筋肉を分解することで得ようとします。したがって、糖質が不足し続けていると、だんだん筋肉が痩せてくるのです。

筋肉は先ほど挙げた基礎代謝量のかなりを体内で消費していますから、筋肉が痩せて小さくなると、基礎代謝量そのものが減ってしまいます。すると、どれだけ摂取する糖質の量が減っても、それ以上に燃焼する糖質の量が減少してしまうため、どんどん痩せにくい体質になるのです。

しっかりダイエットをしているのに効果が出ない、という人はこの状態に陥っていることも多く見られます。

疲れやすくなる

また糖質は身体を動かすエネルギー源ですから、糖質が不足すると、身体は脂肪を燃焼させてその代わりにしようとします。しかし身体の中で使える脂肪の量には限りがあるので、それを超えてさらにエネルギーが必要になると、今度は深刻なエネルギー源不足になります。

するとちょっと動いただけですぐに疲れやすい体質になってしまいます。

集中力がなくなりイライラする

身体や内臓は糖質が足りない場合は脂肪をエネルギー源に代替しますが、脳だけはそれができません。したがって、糖質が足りなくなると、即、脳の活動の停滞を招きます。

それはどのような現象として起こるかというと、まず集中力がなくなったり、ぼうっとしたりします。あるいはイライラするようになります。さらに糖質不足が深刻になると意識障害を引き起こす場合もあります。

ですから健全な脳の働きのためには糖質という栄養素は不可欠なのです。

食物繊維が不足すると?

また炭水化物のうちの食物繊維が足りなくなっても以下のようなトラブルが起こります。

便秘になる

食物繊維は体内で腸壁や胃壁を刺激して胃腸の働きを活発化させています。したがって、逆に食物繊維が不足すると、胃腸の働きが滞って便秘になってしまいます。

肌トラブルを起こす

便秘になると、腸内環境が悪化し、腸内に溜まった便から有害物質が発生し、これも栄養素と同じように血液に載って体中に運ばれ、そこでトラブルを起こします。特に肌の細胞に送られると、肌荒れやニキビなどの肌トラブルを引き起こします。

動脈硬化や大腸がんのリスクがアップする

また便は通常は胆汁酸や腸内の発がん物質を吸着して一緒に体外に排泄されています。これによって、動脈硬化症や大腸がん、胆石を防いでいます。

ですから逆に腸内に便が溜まると、胆汁酸や腸内の発がん物質が再度身体の中に戻ってしまうので、結果、動脈硬化や大腸がんの発病リスクが高まるのです。

肥満や糖尿病をもたらす

また、炭水化物のうちの食物繊維は、その食物を食べる時によく噛まなければならないので、咀嚼が脳の満腹中枢を刺激して満腹感をもたらし、過食を防いでくれます。過食をしないということは、太らないということです。

さらに食物繊維をゆっくりよく噛んで食べるということは、糖質や脂質の吸収も遅らせてくれるので、食後の血糖値の上昇を抑制し、糖尿病も予防できます。

また血糖値が上がらないということは、インスリンの分泌も抑えます。それは上で書いたように糖質が脂肪になって体内に蓄積されることも防ぎ、ここでも肥満を予防します。

逆に食物繊維が不足すると、肥満や糖尿病の原因になるのです。

炭水化物の理想的な減らし方

では炭水化物はどのように減らしたら、もっとも健康的にダイエットできるのでしょうか。

炭水化物の多くは高GI値食品

ここで出てくるのはGI値という数字です。GI値とは「グリセミック指数」と言い、体内に摂取された炭水化物が分解され、糖質に代わる速度を表した数値です。ですからGI値が高い食品を摂取すると血糖値が急激に上がり、GI値が低い食品を摂取すれば、血糖値の急激な上昇を防ぎます。

お米やパン、麺類、果物、砂糖などの炭水化物の多い食品は、ほとんど高GI値です。したがって、急激に血糖値を上昇させるため、糖質が脂肪となって体内に蓄積されやすく、太りやすいのです。

炭水化物でも低GI値ならOK

ですから、同じ炭水化物を摂取するのでも、低GIの食品を選択すれば、太らなくて済むのです。

その炭水化物を多く含む食品で低GI値のものは、たとえば、精白度の低い、玄米、全粒粉などの穀類、とうもろこし、きび、あわ、ひえ、そばなどです。

したがって、同じパンを食べるのでも、白い食パンではなく茶色い全粒粉パンに、ご飯は玄米に、麺類はそばにすれば、炭水化物を摂っていても、ダイエット効果が上がります。

3食のうち夕食を炭水化物カットに

また炭水化物をカットしたメニューの食事にしてもよいでしょう。ただし、3食とも炭水化物をカットしてしまうと、炭水化物不足になって上で挙げたトラブルをもたらします。

1番よい、炭水化物のカット方法は、朝と昼は普通に食べて、夕食だけご飯やパンを摂らないでおかずだけ食べる、というメニューにすることです。

まとめ

いかがですか。

炭水化物は何g以上摂ったら太るのか、炭水化物をどのように減らしたら痩せるのかという点についてお分かりいただけたでしょうか。

炭水化物の過剰摂取はすぐに肥満の原因になりますが、しかし炭水化物が不足してもトラブルが起こります。ですから、炭水化物の摂取量を適切にコントロールしたり、同じ炭水化物を摂取するのでも低GI値の食品にしたりなどして、健康的にダイエットしましょう。

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旅、蕎麦と酒(全ジャンル)、落語、そして猫をこよなく愛する大阪在住ライターです。
最近は肩こりがさらにひどくなり、デスクでPCに向かいながら上半身ヨガで何とかしのいでいる日々。
しかしそのおかげで左半身のだるさが取れました!