もくじ
左右開脚のキーとなる3つの筋肉へのアプローチ
左右開脚はみんなの憧れ。できるようになるには、股関節の柔らかさが重要です。
【左右開脚のためのヨガ①、②】では、股関節の柔軟性に関わる筋肉「中殿筋」に焦点を当てました。
続く、【左右開脚のためのヨガ③】では、脚をピンと伸ばしたまま開脚するポイントとなる筋肉「内転筋」に焦点を当てました。
今回取り上げるのは、「腸腰筋」です。腸腰筋の主な役割は、骨盤を立たせること。
背中が丸まらずに、ピンと伸びた状態で開脚するためには、骨盤がきちんと立つことが必要になります。
そこで今回は、腸腰筋を鍛えるために効果的なポーズを5つご紹介します!
【左右開脚のためのヨガ①】中殿筋をストレッチするヨガポーズ4選
【左右開脚のためのヨガ③】内転筋を柔らかくするヨガポーズ4選
憧れの左右開脚ができるようになる方法・鍵は股関節にあり!
![](https://yogaroom.jp/yogahack/r/article/4996/shutterstock_768169219.jpg)
左右開脚には、股関節の柔らかさが重要です。
この記事では、股関節が硬い原因と、股関節を柔らかくするために効果的なヨガのポーズを紹介します。
その前に、見た目の華やかさを抜きにして、そもそも左右開脚ができる=股関節が柔らかいとどんなメリットがあるのかについて、見てみましょう。
股関節が柔らかいとこんなにメリットが!
股関節が柔らかくなると次のような良い点があります。
血行が良くなり、基礎代謝がUP!
股関節は、上半身と下半身をつなぐジョイント部分です。その柔軟性を高めることで血行がよくなり、基礎代謝アップ、ひいてはダイエットにつながります。
むくみ、老廃物の蓄積がなくなる
血行だけでなくリンパの流れも良くするため、むくみや老廃物の蓄積が少なくなり、疲れにくい体、疲れても回復しやすい体をつくれます。
運動や日常生活でけがをしにくくなる
足が前後左右に開き、上がりやすくなるため、転倒防止などに効果的です。
姿勢の悪さ改善
股関節から生じたゆがみは、骨盤、背骨、肩、首、顔、頭蓋骨など、身体中に影響を及ぼします。股関節を整えてやることによって、身体全体のゆがみ、姿勢の悪さの改善につながります。
股関節はなぜ硬くなるのか
股関節が硬くなる要因は主に以下の3つが考えられます。
- 筋肉が硬い
- 筋膜が硬い
- 骨
1、2は、筋肉強化や筋膜リリースなどである程度改善できます。「1.筋肉が硬い」について、股関節を左右に開くための鍵となる筋肉は主に次の3つです。
- 中殿筋
- 内転筋群
- 腸腰筋
中殿筋の役割
中殿筋の働きは、主に股関節の外転(外側に開く)です。中殿筋が硬いと、大腿骨を股関節で大きく外旋するポーズにおいて制限を与えます。
内転筋群の役割
内転筋群は、大腿骨の内側にある筋肉5つ(大内転筋、恥骨筋、短内転筋、長内転筋、薄筋)の総称です。働きは、股関節の内転(内側に閉じる)です。これら内腿の筋肉が伸びることにより、股関節から上体がしっかりと起こせるようになります。
また、中殿筋の拮抗筋(主動筋が収縮すると弛緩する筋肉)であるため、内転筋群が柔軟でないと、中殿筋を収縮が制限されます。
腸腰筋の役割
腸腰筋は大腰筋と腸骨筋という二つの大きな筋肉の組み合わせで、骨盤を起こす役割があります。
腸腰筋が働いていないと、骨盤が寝ている(後傾している)状態となり、猫背になってしまいます。
この状態では背中をまっすぐに立てることや、開脚したまま、上体を前へ倒すことができません。
そのため、骨盤を立たせるために、腸腰筋を働かせる必要があります。
腸腰筋とは
腸腰筋は、足を引き上げる際に使うインナーマッスル(深層筋)です。腸骨筋、大腰筋、小腰筋の3筋からなります。
![](https://yogaroom.jp/yogahack/r/article/4996/腸腰筋.jpg)
腸腰筋は腿の付け根にある、とても大きな、かつ重要な筋肉です。腿の付け根から腰あたりまでつながっています。
(細かくいうと、腸骨筋は骨盤の主要な骨である腸骨と大腿骨をつなぐ筋肉、大腰筋は腰ついと大腿骨をつなぐ筋肉です)
腸腰筋を鍛える効果・メリット
腸腰筋は、強力な屈筋として歩行や走行に重要な役割をもちます。
腸腰筋が活性化することで、脚が持ち上がりやすくなり、つまずいて転ぶなどのけが防止となります。
体幹が鍛えられ、体のバランスを維持するため、体のゆがみの改善にもなります。
そして嬉しいことに、下腹の脂肪燃焼が効率的になります。腸腰筋が発達し血流、代謝がよくなります。内臓も正しい位置に戻り安定するので、自然と下腹の脂肪燃焼を活性化します。
腸腰筋を鍛えるヨガのポーズ4選
腸腰筋を鍛えるヨガのポーズを4つご紹介します!
腸腰筋は、太ももを持ち上げるポーズや、骨盤を後傾させずに骨盤を起こすポーズで働きます。
逆に、股関節を伸展するポーズでは、腸腰筋がゆるみ(ストレッチされ)ます。
キープ時間はあくまで目安です。ご自身の身体の状態や、ヨガの練習に当てられる時間によって、調整して下さい。
練習頻度は、できれば毎日行った方が良いですが、週2~3回、あるいは一回など、最初は継続しやす頻度で行い、徐々に増やしていくと良いでしょう。
ダンダーサナ(杖のポーズ)
腿裏が伸びた状態で、背中をまっすぐ保つために腸腰筋の力が発揮される。
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キープ時間目安: 5~10呼吸
- 両足を前に伸ばして座り、お尻のお肉を外側に書き出して、座骨でしっかりと床を押す。
- 足首を90度に曲げ、かかとを前に押し出すようにする。
- 肩の下、またはお尻の後ろに手をつき、背中をまっすぐのばす。
- 鼠径部を引き込んで腸腰筋の力で骨盤をまっすぐに立てたら、そのまま10呼吸。
背中が曲がってしまう場合は、お尻の下にブランケットを敷くか、膝を少し曲げる。あるいは、その両方を行う。
ウッティッタパールシュヴァッコナーサナ(体側を伸ばすポーズ)
前足の股関節を曲げるのに、腸腰筋が働きます。
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キープ時間目安: 10呼吸
- 両手を肩の高さに伸ばし、手のひらの真下に足首がくるように両足を開く。
- 両手を腰にそえ、右足を足の付け根から外側に90度開く。左足は少し内側に向ける。
- 吐く息で、右ひざの角度が90度くらいになるまで踏み込み、右肘をももにのせる。練習が進んでいる人は、右の指先を右足の前(あるいは後ろ)につける。
- 吸う息で、左手を天井に突き上げ、さらに左の二の腕が耳の横にくるように、左手を頭の先の方へ伸ばす。目線は二の腕越しに天井を見る。ここで10呼吸キープする。
左足のかかとで床をしっかり押し続ける。 - 左手を腰に戻し、上半身をゆっくり起こして、左足を右足にそろえる。
ヴィラバドラーサナ(戦士のポーズⅠ)
前足の股関節を曲げるのに、腸腰筋が働きます。
![](https://yogaroom.jp/yogahack/r/article/4996/戦士I.jpg)
キープ時間目安:5~10呼吸
- 両手を腰にそえ、左足を大きく後ろへ下げる。左足の指先を約45度外側に向ける。
- 吐く息で右ひざを90度になるくらいまで曲げる。左足のかかとでしっかりと床を押す。左足の付け根を前に押し、右足の付け根を後ろに引くようにして、骨盤を正面に向ける。
- 吸う息で両手を上げる。肩の力は抜く。ここで5~10呼吸キープする。
- 両手を腰に戻し、左足を右足にそろえる。
ナヴァ―サナ(舟のポーズ)
腸腰筋が股関節を曲げる働きをします。
![](https://yogaroom.jp/yogahack/r/article/4996/舟のポーズ.jpg)
キープ時間目安:10呼吸
- 膝を立てて座り、両手をお尻の後ろについて、骨盤を立てて背筋を伸ばす。
- 両足先を浮かせたら、すねと床が平行になるように上げる。両手を腿裏に添えてホールドする。
- 両ひざを伸ばし、全身がVの字になるようにする。両手を足から離し、過多の高さで前に伸ばす。両足先を天井へ伸ばしたまま10呼吸ほどキープする。
まとめ
最後に、本記事のまとめです。
ポイントのまとめ
- 左右開脚の鍵は股関節です。
- 股関節が柔軟になると、血行を良くする、代謝UP、むくみ改善、けがの防止などのメリットがあります。
- 左右開脚のために鍛え、ストレッチすることが必要な筋肉は、中殿筋、内転筋、腸腰筋の3つです。
- 腸腰筋を鍛えるヨガのポーズ4つを紹介しました。
毎日の練習への取り入れ方
中殿筋、内転筋、腸腰筋を鍛えるポーズを、1日のヨガの練習の中でまんべんなく取り入れるようにしましょう。
全てのポーズを組み合わせて、左右開脚のヨガのシークエンスを作る方法、太陽礼拝で軽く身体を温めた後に、気に入ったポーズを2、3個取り入れる方法もあります。
毎日の練習、楽しみましょう!
左右開脚に関する他の記事はこちらでご紹介しています。
【左右開脚のためのヨガ①】中殿筋をストレッチするヨガポーズ4選
【左右開脚のためのヨガ③】内転筋を柔らかくするヨガポーズ4選
いかがでしたか?
腸腰筋を鍛えることで、骨盤を立て、背中をぴんと伸ばしたまま左右開脚を行えるようになります。
憧れの左右開脚を目指して、頑張りましょう!