後屈や逆転・・・ヨガポーズのジャンルごとの特徴を解説!今日の自分に合ったヨガをしよう

数多あるヨガのポーズ。これらのポーズを身体の動かし方やポジションで考えたことはありますか?ポーズは特徴によってカテゴリー別に分けることができるのです。 そしてそれを知ることで、レッスンがさらに深く楽しく意味のあるものになりますよ☆

 

ポーズをその特徴で考えてみよう!

レッスンで行っているヨガポーズ。これらのポーズは、実は身体の動かし方によって大まかに分類が出来ます。
先生が、「今日のレッスンは、夏の冷房のむくみを解消するためにねじりのポーズを多めにしていきましょうね!」などと言うのを聞いたことがありませんか?

この分類が分かると、ヨガの身体への効果への理解も深まるとともに、自分はどんなポーズが好きなのか、得意なのか?そして、苦手な動きに共通する要素は何なのか、なぜ嫌いなのかなど、色々なことに気が付くことができるでしょう。

その日の体調や気分によって練習するポーズを変えてみたり、苦手な部分を練習することによって、あなた自身のヨガ上達への道もきっと近づくはずです!

 

ポーズの分類って?
特徴を知ってさらにポーズへの理解を深めよう!

人の動きは大きく分けると、前屈・後屈・回旋の3つに分けられます。例えば、何かを取ろうとして前へ身体を傾けたり、上を見ようと反らしたり。後ろを見ようと振り返る時に身体をねじったりしますよね。
そして、この3つの分類以外に、身体のポジション・あり方や状態を表す分け方があります。

ヨガのポーズを身体の動きと状態によって分類してみました。(ここでは分かりやすいように9つに分類しています。)

▶︎身体の動き

①神経系を鎮めてストレスを軽減させる「前屈(ぜんくつ)」

【 特徴 】
股関節から上半身を前に倒して行う動きです。背骨(脊柱)を伸展させながら前屈します。フォワードベンドとも呼ばれます。

【 効果 】
身体の前側の機能(目・耳・鼻など)を閉じて、身体の裏側を開きます。神経系を落ち着かせることで、自らの中にある内省的な部分を感じることができます。
さらに、腹部の臓器を整え、神経系を鎮めることでストレスなどによる不調を軽減します。
アーユルヴェーダ的にはお腹を温めてリラックスすることで、冷たいヴァータを穏やかにするとも言われます。

【 ポーズ例 】
深い前屈のポーズ(ウッタナーサナ)/ジャーヌ・シルシャーサナ/パッシモッタナーサナなど 

 

②気持ちを前向きにしてくれる「後屈(こうくつ)」

【 特徴 】
脊柱を伸ばしながら胸(胸椎)を開いていきます。同時に脚の付け根を伸ばします。この時に力で無理に腰から反らさないように注意します。バックベンドとも呼ばれます。

【 効果 】
後屈は特に、エネルギーを増進させるポーズだと言われています。気持ちを前向きにしてくれたり、高揚させてくれます。ですから、夜遅い時間にこの一連のポーズをやり過ぎてしまうのは、あまりおすすめではありません。
後屈によって、腹筋やそのまわりのインナーマッスルや背筋を鍛えることができますし、胸や胸部が伸展することで柔軟性を高めることができます。胸を開いていくのでより呼吸が深くなって新鮮な空気が身体に入り、活性化されます。
また、前屈とは逆に身体の前面が開きます。それによって胸の辺りに重たくたまったカパを解消するともされています。

【 ポーズ例 】
弓のポーズ(ダニュラーサナ)/らくだのポーズ(ウシュトラーサナ)/アップドッグ(ウルドヴァ・ムカ・シュバナーサナ)/上向きの弓のポーズ(ウルドヴァ・ダニュラーサナ)など

 

③デトックス効果抜群!歪み解消効果も「回旋(かいせん)」

【 特徴 】
「ねじり」や「ツイスト」とも呼ばれる身体をねじるポーズです。身体の真ん中を通る脊柱を回旋させていきます。回旋の動きをするためにはしっかりとした土台が必要とされます。

【 効果 】
身体をねじると左右の筋力バランスが整い、骨盤などの歪みが調整されていきます。また、体内に圧力がかかるので内臓の解毒作用やデトックス効果があります。デトックス系のレッスンには、回旋の要素が入ったポーズが多めに組まれていると思います。
アーユルヴェーダ的にはお腹にたまっているピッタを解消して、いらいらした気持ちをなだめるとされており、自律神経のバランスを整える作用もあります。

【 ポーズ例 】
ねじった三角のポーズ(パリブリッタ・トリコナーサナ)/半分の魚の王様のポーズ(アルダ・マツィエンドラーサナ)/ワニのポーズ(ジャタラ・パリヴァルターサナ)など

 

▶︎身体の状態

④基本となる姿勢「立位(りつい)」

【 特徴 】
立った状態で行うポーズ。おそらく最初に習うヨガポーズかもしれません。特に「山のポーズ」は基本のポーズとされています。
立位には片脚で行うものと両脚で行うものがありますが、片脚のものはバランス感覚も必要とされます。

【 効果 】
ポーズの土台となる足裏・脚を意識することができます。

【 ポーズ例 】
山のポーズ(タダーサナ)/木のポーズ(ブリクシャーサナ)/ウッティタ・ハスターサナ/など。

 

⑤心身のバランスを安定させる「座位(ざい)」

【 特徴 】
ヨガの聖典とされている「ヨーガ・スートラ」の中には、もともとアーサナとして記されているのは瞑想のための座位のポーズのみでした。
左右の座骨に均等に体重をのせて、骨盤を立て、背筋を伸ばして安定して快適に座るのが基本です。

【 効果 】
安定して座ることで、心身のバランスを安定させる効果があります。瞑想を行うのにもおすすめの姿勢です。

【 ポーズ例 】
安楽
座(スカーサナ)/杖のポーズ(ダンダーサナ)/パスチモッタナーサナなど。

 

⑥新しい世界へのチャレンジ!「逆転(ぎゃくてん)」

【 特徴 】
 頭の位置が腰や脚より下になります。身体のポジションに分類しましたが、動きのカテゴリーとされる時もあるかもしれません。女性は生理中には逆転のポーズを避けましょう。

【 効果 】
重力によって下がってしまう内臓が逆転によって、元の位置に戻る効果があったり、普段とは異なる姿勢、脚が頭より高い位置にいくことで、血行が良くなります。
このように逆さまになることで新しい世界、新しい視点を感じることが出来るとされています。小さな頃に逆上がりに挑戦したことがあると思いますが、そのような新しい世界を見ることができます。
また、逆転のポーズを維持するためには安定した身体と心が必要とされます。

【 ポーズ例 】
鋤のポーズ(ハラーサナ)/ダウンドッグ(アドムカ・シュバナーサナ)/逆立ち(アドムカ・ブリクシャーサナ)/ヘッド・スタンド(シルシャーサナ)など。

 

⑦全身を使う「アームバランス」

【 特徴 】
腕を使って全身のバランスをとりながらポーズを取ります。とは言っても決して腕の力だけではなく、腹筋や体幹など身体全体を使って行います。

【 効果 】
アームバランスに分類されるポーズは、一見すると難しそうなポーズが多いと思います。しかし、この難しいポーズを行うことで、困難なことにチャレンジする勇気、集中力、バランス感覚やポーズを安定させるための筋力や心を得ることができます。

【 ポーズ例 】 
鶴のポーズ(バカーサナ)/サイドプランク(ヴァシスターサナ)/天秤のポーズ(トーラーサナ)など。

 

⑧身体を床に横たえた姿勢「臥位(がい)」

【 特徴 】
仰向け(仰臥位・ぎょうがい)とうつ伏せ(伏臥位・ふくがい)の体位があります。仰向けは腹部を上に向けて身体を横たえ、うつ伏せは腹部を下にします。

【 効果 】
身体が広く基軸底面としてマットに接しているので、安定感を保ちながら身体の一部分にアプローチしてポーズに取り組むことができます。リラックス効果があるポーズも多いです。

【 ポーズ例 】
スプタ・パタングシュターサナ/スプタ・タダーサナ/スプタ・ヴィラーサナ/など。

 

⑨心身ともに「リラックス」

【 特徴 】
練習の最後やレッスンの途中に全身から力を抜いて行うポーズです。呼吸を感じながらリラックスします。仰向けになって行うものが多いです。

【 効果 】
それまで実践してきたポーズの最後に、力を抜いて弛緩することでリラックス効果が得られます。身体も心もすっきりします。

【 ポーズ例 】
屍のポーズ(シャバーサナ)、チャイルドポーズなど。

 

ヨガのポーズはこれらの要素が組み合わさって出来ています。特徴が一つだけではなく、いくつかの特徴が組み合わさっているのです。例えば、ウッタナーサナは立ち姿勢から上半身を前へと倒すので、立位と前屈の要素を持っています。アルダ・マツエンドラーサナは座り姿勢で身体をねじるので、座位と回旋の要素を含んでいると言えるでしょう。
また、ひとつのポーズにはひとつの効果だけではなく、アプローチの仕方によって様々な効果を生み出すこともあります。

通常のヨガのレッスンでも全身の筋肉をまんべんなく使って活性化するように、これらのポーズの中から少なくとも1つずつポーズが選ばれてプログラムが構成されていると思います。

*身体の状態によって禁忌とされている動きもあるので、ヨガを行う際にはインストラクターの指示にしたがってくださいね。

 

練習に活かすために

ヨガのポーズは、人間の身体の持つ機能を存分に使って動かします。それによって、身体的、精神的な効果を得ることができて、健康になる理由がたくさん含まれているのをお分かりいただけたかと思います。

それではヨガ上達のためにはどうしたら良いのでしょうか?

人の身体は一人一人特徴があって、それぞれ異なるのでポーズにも得意不得意があるでしょう。まずはその事に気が付いたら、少しずつ新しいチャレンジを行うことです。
最初は好きなポーズや身体を温めるポーズからスタートして、苦手なポーズにもだんだん挑戦していくこと、そして続けることで出来るようになる事がきっとあるはずです。

間違いやすいのは、写真で良く見るような「すごい!」完成形ポーズに近づくのが目的ではなくて、そのポーズが身体へ正しくアプローチしているかが重要です。例えば前屈の場合には、背骨を丸めて手を足先に届かせるよりも、膝が曲がっても良いので背骨を伸ばして股関節から屈曲し、太ももの裏側のハムストリングを伸ばしていくことが大切です。それによって効果が最大限に得られるのです。

 

まとめ

大まかにヨガポーズをジャンル分けしてみました。
私も生徒としてレッスンを受けている時には深く考えていませんでしたが、ヨガの勉強をするようになってこれを初めて理解し、ヨガの奥深さを知ってまたヨガが楽しくなりました☆
皆さまのヨガの上達へとつながりますように。

 

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▶︎ヨガポーズ辞典

 

学生時代はダンス、社会人になってからはフラメンコ・太極拳・整体法などを学ぶ。忙しい会社員時代に心⇄身体をつなぐヨガに出会う。
ヨガにはポーズだけでなく、色々な気付きと学びがあります。
私も日々勉強中ですが、ヨガの楽しさを共有できたら嬉しいです!
好きなものは、美味しいもの。きれいなもの。いぬ。

・ファーストシップトータルヨガスクール主催 全米ヨガアライアンス認定(RYT200)取得
・ファーストシップトータルヨガスクール主催 リストラティブヨガ指導者育成コース取得
・VAJA認定均整術師
・yogabiija主催 チェアヨガベーシックTT 取得

https://www.instagram.com/yogaco.jp/