ヨガの目的とは本来どんなもの?正しく知って行えばより効果的!

歴史の長いヨガ。美容や健康に効果アリ!という認識が高いけど、本来のヨガの目的とは一体どのようなものでしょうか。またその呼吸や瞑想はどんなもの?哲学や教義に基づいた本来のヨガについて解説します。

多くの人が美容・健康のために行うヨガ。様々なポーズを取ることで身体が伸び、深い呼吸や瞑想で心身のバランスや落ち着きまでもたらされます。

そんなヨガですが、実は歴史がとても長く、現代日本で取り入れられている内容で知られている具体的なポーズ・動きは本来深い哲学・意識・教義に基づいたものです。

今回はそんなヨガの本来の目的やその歴史を追及していきます。ヨガへの認識が深まることで、実際にポーズや呼吸・瞑想を行う際に意識が知識によって高まり、良い効果を及ぼすでしょう。

ヨガの本来の目的とはどんなもの?

それでは早速ここで、ヨガ本来の目的や歴史・効果について、項目ごとに解説していきます。

ヨガの歴史

ヨガは今から4500年前(紀元前2500年)、インダス文明の中で生まれたといわれています。その後紀元前1500年頃にアーリア人がインドへ南下し、紀元前1000年頃に彼らが残した宗教書物が発見されました。その中に現在のヨガと共通する文面が記載されていたようです。

紀元前800年から200年という長い間に「ウパニシャッド」という奥義書が200ほど書かれ、中期頃に「ヨガ」という言葉が出ていることから紀元前350年~300年の間には社会的にヨガが認知されていた、とされています。

その後、2世紀~4世紀頃に「パタンジャリ」というインドの哲学者が「ヨーガ・スートラ」という経典を出しました。「瞑想」をすることで本来の自己を見つめ、どのように生きるべきか、を提示した書物です。

現在のヨガのようにポーズを取る、など動的なものが出てきたのは12世紀~13世紀。瞑想・呼吸に加えてヨガポーズ(アーサナ)・呼吸(プラーナヤーマ)をセットにした現在のヨガの基本・「ハタ・ヨガ」が生まれました。

ハタ・ヨガの「ハ」は太陽、「タ」は月を、そして「ヨガ」とはサンスクリット語で「繋がり」を意味しています。

ヨガの目的

ではヨガの目的はどのようなものかというと、長い歴史の中でもともと「瞑想」そのものだったヨガが長い時代を経て「ポーズ」など動的なものが生まれ刻刻と変化していく中で、最終的な目的となったのが「自己を見つめ、心身を宇宙や神と一体化させる」というもの、といえるでしょう。

美容や健康への効果はそれらの副産物として生まれたものであり、やはりもともとの目的としては絶対的に精神の在り方だったのです。

それが時代を経て、呼吸やポーズとともに心身を強化するという目的へと変化していったのです。

しかしその肉体の強化も、要は宇宙や神などという大きな存在と一体化するという目的のもと生まれたもの。

現在日本では、ヨガが深い歴史や教義を持つものと認識はされているものの、実際はより美容や健康への効果ばかりがフォーカスされているのも事実といえるでしょう。

ヨガが心身に与える影響と効果

ヨガを行うことで実際に心身へと与える影響や効果について見ていきます。

現在のヨガがポーズ(アーサナ)と呼吸を基本とすることはこれまで前述したことで分かりましたね。

肉体的には様々なポーズを行うことで骨盤や背骨の歪みが矯正され、インナーマッスルや体幹も鍛えられます。

また歪みが矯正されることで、これまでズレていた内臓の位置が元に戻され、内臓本来の働きを取り戻します。

体温が上がる、動きを行う、などのことで痩せやすい身体を作ることへも効果的とされています。

精神としては、深い腹式呼吸を行うことで自律神経が整えられ、その結果精神的に落ち着きを得られるという効果もあるといわれています。

また、瞑想もともに行うことでリフレッシュ・リラックスはもちろん、意思が高まり、本来の自分の精神や肉体が必要としていることが分かるようになる、というメリットもよく知られていることです。

ピラティスとヨガの違い

ピラティスは筋肉へのアプローチが重要とされ、呼吸は胸式呼吸で行います。ヨガは精神ありきの肉体へのアプローチとなり、呼吸は腹式呼吸で行います。

どちらも緩やかな動きとなりますが、ピラティスの方が動きが多くなります。ピラティスの動きはヨガベースのものがありますが、トレーニング要素がより高くなります。

ヨガは宗教なの?

瞑想や教義が元になるヨガは、スピリチュアルな要素が苦手な人にとっては度々「宗教なのか?」という疑問があります。

しかし、ヨガは宗教ではありません。マントラを唱えたりする瞑想があり、神や宇宙というワードは無視することができないヨガの種類もありますが、宗教としてではなく、純粋に内観を行ったり大きな存在の力を得るというものであり、もう少し「人間の生き方」に沿ったものです。

ヨガの呼吸法について

さて、ヨガでは「呼吸が大事」とされていますが、実際の呼吸とはどんなものなのでしょう。

ヨガでは腹式呼吸を行います。あぐらをかいたり、自分にとって心地良いと感じられる姿勢を取ってみてから呼吸を意識していると呼吸に集中できるかもしれません。

背筋を伸ばし、胸を軽く開いた状態を作り、そこから呼吸を始めてみましょう。

まずは口を閉じ、鼻から3~4秒かけて息を吸います。次に3秒ほど呼吸を止めます。その後6~7秒かけて息を吐ききります。これを何度も繰り返しましょう。

肺やお腹部分に空気が送り込まれることが分かりますね。何度も一定リズムで繰り返されることにより、精神的に深い落ち着きをもたらし、気持ちが安定してくることも認識できると思います。

ヨガの瞑想について

ここまで読んだあなたは、ヨガの肉体的な動きとともに精神も鍛える必要があることが分かったのではないでしょうか。そしてもともとヨガとは瞑想だったということも。

アーサナという実際的な動きとともに呼吸で精神へと働きかけることはヨガを行う上で重要なことです。

そしてそれをさらに高めるのが「瞑想」。自己を内観し、姿勢や精神を静かに保ち、より精神を落ち着かせるために、ヨガにとっては必要不可欠なものです。

瞑想は、経験のある人にとってはリラックス・リフレッシュをもたらすものとして認識できるでしょうが、経験のない人にとっては「まずどうやったらいいのか分からない」となってしまいますよね。

ヨガ瞑想を行うのにもっとも適しているのは「朝起きてすぐ」または「寝る前」です。朝に行う場合は1日を快適に過ごせるように、夜行う場合は忙しい1日をリラックスして終える、という効果が高まります。また、ヨガポーズを行ったあとも効果的でしょう。

具体的なやり方としては、呼吸の項に前述したとおり結跏趺坐や心地良いと感じられる姿勢を取り、腹式呼吸のリズムを意識して行います。呼吸が落ち着き、精神が安定してきたら浮かんでくる雑念を意識する度、呼吸に意識を戻すということを繰り返します。

30分や1時間、毎日決めた時間に行うと雑念から意識を戻すことも上達し、より良いリラックス・リフレッシュを得られるでしょう。

ヨガで心身のバランスを整え、肉体と精神を繋げよう!

ヨガには本来深い目的があり、歴史の中で精神だけでなく肉体へも働きかける動きができたことが分かりました。
 
忙しい日常で、ヨガの深い教義にばかり心を向けるのは難しいですが、深く追及すれば別の人生が開ける、ということもあり得ることは何となく理解できるのではないでしょうか。
 
それらが人々にもたらす影響は人それぞれでしょうが、せっかくヨガを行うのであればその部分を考えてみて、「アーサナ・呼吸・瞑想」という3本柱は忠実に守ってみましょう。
 
自分自身が心地良い、と感じられるようにするのが良いですね。
 

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ゆっくりとした深い呼吸を意識しながら身体を動かすヨガ、自然由来のコスメやスキンケア、身体に優しく美味しい食事を生活に取り入れて、本来の人間の力を引き出すことを日々実践しています。
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