インストラクターが解説!足先の冷えにオススメの体ぽかぽかヨガポーズ7選

ヨガポーズの多くは、身体のどこかの筋肉を働かせて熱を生んだり血行を促進したりします。ここでは、その中から厳選!!かつ難易度を抑えた、身体の冷えを解消するのにぴったりのポーズをご紹介♪季節を問わず悩む方が多い『足先・つま先の冷え』にもおすすめですよ!

冷えは身体の不調・ストレスのもと

寒さ本番の季節。私は東京在住ですが、朝は気温が氷点下になる日もよくあり、冷え込みが厳しいです。

暖房を強くかけたり、保温・発熱機能の下着を着たり、温かいものを食べたり・・・寒さ対策は色々あります。ですが、夏と比べると気温は絶対的に低いわけで、寒がりの方は多少なりともストレスを感じていることでしょう。また『冷え』は、肩こり、胃腸の不調、生理痛などの身体の不調にも深く関わっているようです。

寒い冬に限らず春や夏でも、朝晩の冷え込みやエアコンの効きすぎにより身体が冷えて辛い時がありますね。

こんな時にもヨガは大活躍。お家の中のマット1枚のスぺースで身体をジワ〜っと温めてくれるヨガポーズがいくつもありますよ。

日本人の弱点「〇〇筋」を鍛えるのがポイント!

冷え対策として活性化したい、そしてヨガでも重要とされる身体のパーツ、それは腸腰筋です!

 

腸腰筋ってどこ?日本人は太さが半分しかない!?

  • 大腰筋 + 小腰筋(ない人もいる)+ 腸骨筋の総称。
  • 前ももを胴体に引き寄せる動き&ももを外側に回す動きに関わる。
  • 上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉で、姿勢の保持に大きく関わる
  • 腸腰筋を構成する大腰筋については、アフリカ系やヨーロッパ系の人に比べて日本人は半分程度の太さしかないとのこと。
  • 猫背や垂れ気味のお尻が日本人に多いのは大腰筋の弱さが原因』ともいわれており、冷え対策以外でも注目したい筋肉!

なぜ「冷え対策」に腸腰筋なの?

  • 腸腰筋は身体の深層にあり、表面からはほとんど触ることができないインナーマッスル(赤筋という種類の筋肉)
    • 赤筋を働かせると、酸素と脂肪を使って大量のエネルギーを生み出すので、身体の内側からポカポカに。

腸腰筋を働かせて、全身を効率よく冷え知らずの体をつくっていきましょう!

身体の芯からポカポカ♪腸腰筋活性化ヨガポーズ7選

腸腰筋にギュッと力をこめるポーズをご紹介。同時に他の腹部の筋肉も働かせて身体を温めましょう!
腸腰筋アプローチ度&難易度を★1つ~3つで評価しています。参考にしてください♪

やる際の注意点

  • 時間がある時は事前に全身ストレッチや太陽礼拝を行い、ウォーミングアップをしてあげるとよいでしょう。
  • ポーズを行う時は、常にゆったりとした深い呼吸(鼻呼吸)を心がけましょう。

【禁忌】以下でご紹介するポーズは股関節にアプローチしていきます。股関節にケガがある方は注意して行ってください。

①足の親指をつかむポーズ(ウッティタ・ハスタ・パダングシュターサナ)

親指をつかまない簡単バージョンで、まずは腸腰筋を意識してみましょう!

腸腰筋アプローチ度:
難易度:★
キープ時間(目安):5呼吸×2セット(片脚あたり)

 【やり方】

  1. 腰に手を置いた山のポーズで立ちます。山のポーズを確認したい方はこちら!
  2. 吸いながら、右脚のつけ根(そけい部:写真のブルーの矢印)を意識しつつ、太ももを胸に引き寄せます。
    ※『ひざを持ち上げよう!』と意識すると前ももの筋肉をメインで使いがち。『もものつけ根を引き込む!』意識が大切。
  3. 坐骨を床方向へ向け続け、左右の腰の高さを揃えながらポーズをキープ。視線は正面。
    ※上げた脚のつけ根への刺激を感じ続けましょう。
  4. 吐きながら、ゆっくりと右脚を下ろして1に戻ります。
  5. 反対側の脚も同様に行いましょう。

【腸腰筋活性化のポイント】
このポーズの完成形(下の写真)をとるには腸腰筋の強さや太もも裏の筋肉の十分な柔軟性が必要です。無理して膝を伸ばしても、太もも裏の硬さが邪魔をして十分な効果が得られないことも。まずは完成形でなく、上記の簡易バージョンの方をおすすめします♪

 【禁忌】
そけい部、膝のケガ

②木のポーズ(ヴリクシャーサナ)

股関節を開きながら腸腰筋にアクセス!人気のバランスポーズ。

腸腰筋アプローチ度:
難易度:★
キープ時間(目安):5呼吸×2セット(片脚あたり)

 【やり方】

  1. 腰に手を置いた山のポーズで立ちます。山のポーズを確認したい方はこちら!
  2. 右膝を軽く曲げてつま先を床に。
  3. 右もものつけ根を外側に開き、右ひざを真横に向けます。
  4. 吸いながら、右もものつけ根を意識しながら右脚を持ち上げ、足裏を左脚の内側(ひざ横を避ける)に置きます。
    ※脚を持ち上げる時、右手を使って持ち上げてOK。
    ※左右の腰骨の高さを揃えましょう。
  5. 吸いながら、両手を回し上げて頭上で合掌。視線は正面に向けてポーズを保ちましょう。
    ※肩の力を抜きます。
  6. 吐きながら両手を腰に戻し、ゆっくりと右脚を床に下ろして1に戻ります。
  7. 反対側の脚も同様に行いましょう。

【腸腰筋活性化のポイント】
足裏を置く位置の高さはあまり気にせず、左右の腰骨の高さを揃え、上げた脚のつけ根の引き込みを意識することを優先しましょう。
バリエーションとして、上の右の写真のように太ももを引き寄せるのもよいでしょう。

【禁忌】
そけい部、膝のケガ

③椅子のポーズ(ウトゥカターサナ)

 腹部や太ももの筋肉も強くするエネルギッシュなポーズ。

腸腰筋アプローチ度:★★
難易度:★
キープ時間(目安):5呼吸×2セット

 【やり方】

  1. 腰に手を置いた山のポーズで立ちます。山のポーズを確認したい方はこちら!
  2. 吸いながら背すじを伸ばし両手を天井へ。
    ※肩はリラックス。
  3. 吐きながら腰を後ろに引き膝を曲げていきましょう。
    ※膝がつま先より後方になるくらい腰を後ろに引きますが、腰が丸まらないように。
  4. 正面を見て、ポーズを保ちましょう。
    ※うでを上げるのが辛い方は、腰に置いてOK!
  5. 吸いながら1に戻ります。

【腸腰筋活性化のためのポイント】
カカト重心になるくらい腰を後ろに引き、そけい部を引き込むことが大切です。それが足りないと、ポーズを保つのに前ももの筋肉に頼りすぎてしまいます。 

④横向きの足上げのポーズ(アナンターサナ)

身体を一直線に保つためにコアが必要!な寝ポーズ。

腸腰筋アプローチ度:
難易度:★
キープ時間(目安):5呼吸×2セット(片脚あたり)

 【やり方】

  1. 身体の右側面を床に下ろして横たわります。左手は体側にのせます。
    ※横たわっていても直立するのと同じように、足裏は見えない壁を押し、かかと~頭頂を一直線に保ちます。
    ※右ひじは、曲げても伸ばしてもOK。やりやすい方を選びましょう。
  2. 吸いながら、左ももを外に回しながら左脚を持ち上げます。
    ※ここでも、左そけい部の引き込みを意識しましょう!
  3. 脚が十分に上がったら、つま先をつかみます(上の写真)。
    ※つま先をつかめない場合は、つかまなくてOK。左手はお腹の前の床に置きましょう(下の写真)。
  4. 正面を見ながらポーズを保ちましょう。
    ※バランスがとりづらい場合は、足裏を壁に押し付けて行うとよいでしょう。
  5. 吐きながら、上げた脚を下ろし、ポーズから抜けます。
  6. 反対側の脚も同様に行いましょう。

【冷え対策のポイント】
このポーズは平べったい身体の側面を土台にすることで、腸腰筋以外のコア筋も刺激してくれます。お尻を逃がして(後ろに突き出して)しまうと、バランスをとるのが簡単になり、コアへの刺激も減ってしまいます。山のポーズを思い出して、まっすぐな側面を維持しましょう!

【禁忌】
そけい部のケガ

⑤仰向けの足上げのポーズ(ウルドヴァ・プラサリータ・パダーサナ)

2,3呼吸のキープでポカポカしてくる!コア強化の仰向けポーズ。

腸腰筋アプローチ度:
難易度:★
キープ時間(目安):下記【やり方】にある手順を1セット

【やり方】

  1. ひざを立てた仰向けになります。
    腰と床の間に手の平が1枚入るくらいのスペースを確認し、それを維持していきます。
    ※お尻の坐骨を床にぺったりとつけるイメージで床を強く押し続けましょう。
  2. 手の平を下に向け、吸いながら両脚を天井方向に伸ばし、足裏も天井方向へ向けます。
  3. 吐きながら、両脚を床から60度の高さまで下ろし、その状態で2、3呼吸キープしましょう。
    ※坐骨で床を押し、そけい部をしっかりと引き込みましょう。
    ※かかとを蹴り出すイメージで両脚を力強く伸ばしましょう。
  4. 吐きながら、両脚を床から30度の高さまで下ろし、その状態で2、3呼吸キープしましょう。
    ※坐骨で床を押し、そけい部をしっかりと引き込みましょう。
    ※かかとを蹴り出すイメージで両脚を力強く伸ばしましょう。
  5. 吐きながらゆっくりと両脚を床に。一息つきましょう。

※このポーズが辛い場合は、膝を軽く曲げて負荷を軽減して行いましょう♪

冷え対策のポイント
はじめに手の平が入るくらいの腰のスペースを確認しますが、その時の背骨のS字カーブを保ち、胴体の前面&背面の筋肉を総動員してポーズをとっていきましょう。

【禁忌】
背骨の疾患、生理中、妊娠中

⑥天秤のポーズ(トーラーサナ)

身体の芯がジワッときます!温め効果バツグンのポーズ。

腸腰筋アプローチ度:
難易度:★
キープ時間(目安):5呼吸×2セット

 【やり方】

※できればヨガブロックのような硬い台があるとGOOD。

  1. ブロックがあれば肩幅に置き、その間にあぐらで座ります。
  2. ブロックまたは床の上に手を置きます。
  3. 吸いながら、
    ①そけい部を引き込む力で太ももを胸に引き寄せ、
    ②手の平が床を押す力でお尻を床から持ち上げます。
  4. 正面か鼻の頭を見ながらポーズをキープ。
    ※お尻や足が浮かなくてもOK♪浮かせようと力をこめるだけで十分に効果があります!
  5. 吐きながらあぐらに戻りましょう。

【腸腰筋活性化のポイント】
足を浮かせたいと思って足やふくらはぎを働かせてもうまく浮かないのがこのポーズ。太ももの付け根にギュッと力をこめ、前ももが胸を押し上げるイメージで行いましょう

【禁忌】手首・肩のケガ、生理中、妊娠中

⑦船のポーズ(ナヴァーサナ)

キツイけれど効果◎V字バランスのポーズ♪

腸腰筋アプローチ度:
難易度:★
キープ時間(目安):5呼吸×2セット 

【やり方】 

  1. 両ひざを立てて座り、お尻の後ろに手をついて上体を支えます。
  2. 吸いながら、上体をやや後ろに倒しつつ背すじを伸ばし、同時にひざを伸ばして足を持ち上げます。
    ※ひざを伸ばすことよりも、そけい部をしっかり引き込み腰を伸ばす(丸めない)事を優先しましょう。
  3. 両手を床から離して前方に伸ばします。
    ※肩先を後ろに引いて胸を開きましょう。
  4. つま先を見ながらポーズをキープ。※ポーズが辛ければ、すねが床と平行の状態(下の写真)で行いましょう。
  5. 吐きながら両手・両足を床に下ろし、ポーズから抜けます。

【腸腰筋活性化のポイント】
腰が丸まると表層にある腹筋が強く使われて、腸腰筋への効果が落ちてしまいます。背中の前面・背面を均等にピンと伸ばして行いましょう。

【禁忌】
首・腰のケガ、生理中、妊娠中

腸腰筋ストレッチのポーズ

腸腰筋や腹筋群をギュッと鍛えるポーズを行った後は、必ずそれらをゆるめて、力強さとしなやかさを両立させていきましょう。次の2ポーズを両方行うのがオススメです。

A. 三日月のポーズ(アンジャネアーサナ)

腸腰筋だけでなく身体の前側全体をストレッチ。

腸腰筋アプローチ(ストレッチ)度:
難易度:
キープ時間(目安):5呼吸×1セット(片脚あたり)

 【やり方】

  1. 四つん這いになります。
  2. 右足を両手の間、左足は甲を寝かせてできるだけ後ろに引きます。
    ※左もものつけ根に伸びを感じるくらい、後ろに引きましょう!
  3. 吸いながら上体を起こし、両手を腰に。
    ※右足の真上にひざ、左足指先は真後ろに伸ばし、左足の甲で床を押しましょう。
  4. 次の吸う息で両手を回し上げ、胸を空に見せるように上体を後ろに反ります。
    ※肩はリラックス。
    ※両手を腰に置いたまま、上体を反らせてもOK。
  5. そけい部の伸びと胸の引き上げで身体を反らすつもりでポーズを保ちましょう。
    ※腰に力を入れて反らさないように!
  6. 吐きながら両手を床に。
  7. 脚を入れ替えて、反対側も同様に。

【禁忌】
ひざ・股関節のケガ

B. 英雄のポーズ1番(ヴィラバドラーサナⅠ)

脚を鍛えながら腸腰筋ケアができる力強いポーズ。

腸腰筋アプローチ(ストレッチ)度:
難易度:
キープ時間(目安):5呼吸×1セット(片脚あたり)

 【やり方】

  1. 足を腰幅、両手を腰に置いて立ちます。
  2. 左足を大きく一歩後ろへ。左足つま先を少し外側に向かせましょう。
    ※腰が後ろ足につられて逃げないように。下腹は正面を向き続けます。
  3. 吐きながら右ひざを曲げます。
    ※右ひざが足首の真上にくるように。
    ※お尻のしっぽ(尾骨)を身体にしまいこむようにして(=骨盤を立たせて)、左そけい部を伸ばします。
  4. 吸いながら両手を回し上げ、吐きながら腕のつけ根を後ろに引いて胸を開きましょう。
    ※肩はリラックス。
    ※両手は腰に置いたままでもOK。
  5. 正面かやや上を見ながらポーズを保ちましょう。
    ※後ろ足のかかとで床を押し続けましょう。
  6. 吐きながら両手を腰に戻し、1に戻りましょう。反対側も同様に。

【禁忌】
ひざ・腰・股関節のケガ、高血圧

まとめ

腸腰筋等のインナーマッスルは身体の表面から手で触わることが難しく、なかなか意識が向かない箇所です。しかし、深い呼吸で酸素を送り込みながらじっくりとポーズを保っていると、じわじわっと身体が温まり、汗ばんでくることも。身体が冷えていると、気持ちが落ち着かなかったりストレスを感じてしまったりしますが、そんな時は1つ、2つでよいので腸腰筋を意識したポーズをとってみてください。身体の中心にあるこの筋肉を活性化すると、冷え対策のみならず、身体の重心が安定するので心もずっしりと落ち着いてきますよ。もちろん、その後はそけい部をストレッチさせるポーズも行ってくださいね。

東京都豊島区育ち、練馬区在住。
新卒就職後間もなく始めたヨガは、デスクワークと満員電車で疲れる身体、オーバーヒートする脳に安らぎを与えてくれました。
結婚・出産後、ヨガをもっと知りたいという思いが高まり、ファーストシップでRYT200の勉強を開始、2016年3月に卒業。
今は小学生と幼稚園児の子育てをしながら、初心者・初級者の方にヨガを伝えつつ学びも継続中。
クラスではアライメントを大切に伝え、ポーズ中(=on the mat)の心身への意識やゆったりした呼吸を日常生活(=off the mat)でも思い出し安らぎを感じてもらいたいと願っています。
最近は英語と日本語で同時にヨガを伝える『バイリンガルヨガ』も勉強中。

・資格
2016年3月 ファーストシップトータルヨガスクール主催 全米ヨガアライアンス認定(RYT200)修了。
2016年3月 ファーストシップトータルヨガスクール主催 陰ヨガ指導者養成講座修了
2016年8月 ファーストシップトータルヨガスクール主催 ヴィンヤサヨガ指導者養成講座修了
2017年8月 SUDARSHANA YOGA ヴィンヤサヨガ総合講座修了
2017年10月 Livewell Institute 陰ヨガ指導者養成講座修了
2018年3月 ヨギー ・インスティテュート チェアヨガトレーニング修了

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