ヨガレッスンでよく聞く言葉「骨盤を立てる」って何だろう?

ヨガレッスンでは、「骨盤を立てましょう」と言われる場面が多くあります。そもそも骨盤ってどこのことで、骨盤を立てるとどのような良いことがあるかご存知ですか。 ここでは、骨盤の立て方やその効果について詳しく確認をしていきます。ぜひ、今後のヨガレッスンや家での練習などでも役立ててください。

ヨガのポーズとは?

ヨガのポーズのことをアーサナと言います。アーサナは、瞑想を行う際に全身にプラーナ(エネルギー)を回すための体力と、姿勢を保つための筋力を育てるために作られました。瞑想では骨盤を立て座骨を床につけて座り続けるため、長時間姿勢を維持することが難しく、その前段階の体力づくりが目的でした。

ヨガの練習では、骨盤を立てながら、丹田(おへその下)に集中することで、体幹を意識します。身体をねじるポーズ、バランスを取るポーズなど、様々なアーサナを通じて、自分の身体や心と向き合うため、足の感覚の左右差や背中の硬さ、お腹周りの感覚など、自分のゆがみに気が付きやすくなります。

ゆがみを解消するための一歩として、下半身と上半身のつなぎ目であり、身体の土台である骨盤を立てることが、リンパのつまりや冷え、自律神経やホルモン分泌の働きの正常化などの様々な恩恵が受けられ、姿勢が良くなるのと同時に健康維持にも効果があります。

骨盤を立てるとは?

ヨガレッスンに参加すると、呼吸法や座ってポーズを行うときに先生から「骨盤を立てましょう。座骨を左右均等に床につけて立てましょう。」と言われることも多いと思います。

そもそも座骨や骨盤って、普段あまり意識しませんが、どこかご存知でしょうか。

座骨とは スカ・アーサナ(安楽座)やあぐらをかいた時、足を伸ばして座る長座の時に床につくお尻の硬い骨のことです。

 骨盤は仙骨・寛骨・尾骨の3つの骨によって成り立っていて、身体の中心にあり上半身と下半身を結ぶ大切な役割を担っています。

 

 

座骨を床に付けるように座ることで骨盤が立ち、お腹がグッと引き上がって背骨や首筋までピンっと長く伸びます。呼吸法を行う時や瞑想法を行う時、座って行うアーサナの時に呼吸の流れが全身に通り、滞っていた血流やリンパも流れやすくなります。

 また、ヨガレッスン時以外の立っている時や椅子に座っている時など、日常生活で骨盤を立てるように意識をすることで、反り腰や猫背の改善につながり、腰痛や肩こりを軽減してくれます。

反り腰?猫背って?

では、多くの方が悩んでいる反り腰や猫背についてみていきましょう。

反り腰とは、若い女性に多くお尻がアヒルのようにプリッと後ろに出ている姿勢です。正常な背骨は横から見てS字状になっていることで、背骨が柔軟にしなり、外からの衝撃を和らげていますが、反り腰は腰の湾曲が過剰になってしまい、身体の前方の筋肉と後方を支える筋肉とのバランスが崩れている状態です。原因としてはハイヒールを履いて歩くこと、デスクワークで座っている時間が長いなどで、腸腰筋(骨盤を正常な位置に保つ筋肉)が弱くなるためです。

さらに、反り腰では下半身に老廃物が溜まりやすくなり、むくみやヒップラインの崩れにつながっていきます。そして、腰にも負担がかかるため腰痛や腰を守ろうとする他の部分に負担がかかり、更に歪みを悪化させます。骨盤が歪むことで、普段は閉じている骨盤が開いて骨盤の中心にスペースができて内臓が下がりぽっこりお腹の原因にもなります。

猫背もS字の湾曲が強まり、肩や頭が前に出ていて身体中の筋肉や内臓に負担がかかっている状態です。デスクワークやスマホを長時間見ることなど同じ姿勢でいることや、ソファや椅子に浅く腰を掛けると骨盤が後傾して、体が固まりやすくなり首・肩こりや頭痛の原因になります。また、ぽっこりお腹の原因や膝や腰の不調、そして見た目も美しくありません。

骨盤が開くってなに?

骨盤を立てること以外で特に女性で、もう一つ大切なことは骨盤の開け閉めがスムーズにいくことです。

私たちの骨盤は開いたり閉じたりしています。骨盤が閉じるのは、日中の活動中の交感神経が活発になっているときです。しかし、閉じすぎると自律神経の働きが乱れて、女性ホルモンの分泌も乱れます。女性ホルモンのバランスが崩れると、月経不順や肩こり・首のこり、むくみや冷え症、肌荒れなどの様々な不調が現れます。

反対に骨盤が開くのは、寝ているときやリラックスしている副交感神経が活発になっている時で、開きすぎると脂肪や水分が溜まりやすく、むくみや冷えを引き起こす原因になります。

骨盤の開け閉めをスムーズにして身体のバランスを取ることが重要で、骨盤の開け閉めの力をつけると、女性ホルモンのバランスが整いやすくなります。

しかし、夜遅くまで仕事をしてたり、夜活動するなどで、交感神経を働かせる時間が長くなってしまうと、骨盤が閉じている状態が長くなる傾向にあります。また、骨盤が上記のような理由で歪むと冷え症や便秘、生理不順や生理痛の悪化、肌荒れなどが起こりやすくなり、骨盤の開け閉めが上手くいかなくなります。

そのため、骨盤の位置を正しくすることで、自律神経とホルモン分泌の働きが正常化して、身体の不調が改善されやすくなります。また、姿勢も良くなって、引き締まった体つきになります。

ヨガではこの骨盤を立てることでその周りの筋肉を使い綺麗な姿勢を保持すること、自身の身体と向き合うので左右の違いを感じやすくなり、自分の生活パターンでの特徴や原因など改善した方が良い所がおのずとわかってきます。

その一歩として骨盤を立てることは、身体の軸を整える上で最も基本的な重要なこととなります。 

骨盤の立て方

 ここからは、レッスンや生活の中で取り入れやすい練習法についてご紹介します。

1)ヨガの練習では

レッスンで多くありますが、お尻のお肉を後ろにかき分けて、コリコリっとした骨を床に付ける方法です。座骨を立てると骨盤が立つことにつながります。座骨が立ちにくい方、立っているのがわからない方はお尻の下にブロックやブランケット、タオルを入れるとわかりやすくなります。

レッスンでタオル等がない、忘れてしまったという場合にはマットをくるくると丸めて、お尻の下に敷く方法もあります。
ポイントは座骨が床につくように、お尻のお肉の下にマットを入れることです。

2)家や仕事、移動中など

日常生活にブロックを活用してみるのと、違いを感じやすくなります。床に座ることが多い方は、メイク中やテレビを見る時などに胡坐の姿勢や正座の姿勢で、ながら骨盤調整を行うことがおすすめです。
また、椅子に座ることが多い方は背もたれになるべく寄りかからずに骨盤を立てて背中をまっすぐにするか、背もたれに何かを挟んでまっすぐな背中を作るなど工夫をすることができます。

立ち姿勢でも片方の足に重心をかけたり、腰を反ってお腹が出るような習慣があると骨盤のゆがみの原因になります。立ち姿勢の基本はヨガのアーサナである山のポーズ(タダーサナ)のように、骨盤を立てるように意識をすることが大切です。

最後に

いかがでしたか。ヨガでは骨盤を立てるアーサナが多くありますが、骨盤を立てる意識を持つと腹筋や背筋を効果的に使えることや、体のゆがみを解消するためにとても有効です。ヨガレッスン以外の仕事中や移動中などの時間に、座るときの姿勢を意識して、綺麗な姿勢をキープして見た目もきれいに、そして健康になれるように行ってみてください。

千葉県在住。保健師として働く中で、身体だけでなく心が元気で、穏やかであることが大切だと感じるようになり、そんな頃ヨガに出会いました。

心のあり方次第で周りに見える景色や世界が変わると実感し、より深く学びたい!そして素晴らしさを伝えたい!とヨガの世界へ飛び込みました。

今後はヨガを通してHappyが広がるように様々な活動をしていきたいです。
美容も大好きで、アシスタントとして勉強しながらの素敵な情報もお伝えしたいです☆

*YOGA HUALI Training School ハタヨガTT修了
*日本アロマ環境協会 アロマテラピー検定1級 取得
*保健師免許
*看護師免許

https://www.instagram.com/lalamittsu/