ヨガの八支則ってなに?毎日の生活に「8ステップ」を取り入れて幸せをつかもう!

ヨガをする上で大切にしたい八支則(はっしそく)。サンスクリット語で8本の枝を意味し、ヨガを実修するための8つの段階・行法を示したものです。

ヨガをしているうちに、身体だけでなく心もスーッと軽くなったり 、穏やかになったりしたように感じた経験はありませんか?身体的な効果とともに精神的な効果も与えてくれるヨガ。心身のバランスが整った穏やかな生活を送りたい方の1つの手段として、多くの人々に愛されています。今回は、さらにヨガを深めてみたい方のために、ヨガの八支則をご紹介します。

聞き慣れないけど、とても大切。ヨガの八支則とは?

ヨガをする上で大切にしたい八支則(はっしそく)。サンスクリット語で8本の枝を意味し、ヨガを実修するための8つの段階・行法を示したものです。ヨーガスートラにて定義されて以来、脈々と現代に受け継がれており、ヨガの素晴らしさを知る上でとても大切な哲学といえます。

○ヨーガスートラについて

「ヨーガスートラ」とは、紀元前後にパタンジャリ氏によって編纂された有名なヨガの経典の1つ。全4章で構成され、どのようにヨガを実践するのが良いかを分かりやすくまとめた実用書で、この中に八支則が記されています。この著書の冒頭で、パタンジャリ氏はヨガを「チッタ・ヴリッティ・ニローダ(心の作用の止滅のことである)」、つまりヨガとは「心を静めるものだ」と定義しています。

○著者パタンジャリについて

ヨーガスートラの著者であるパタンジャリ氏は、インドに実在していた人物で、サンスクリットの言語学、インド伝統医学のアーユルヴェーダにも長けていたと言われています。インドでは聖者として敬われていますが、出生にも逸話があり、謎を多く持つパタンジャリ氏。ビシュヌ神の使いで守り主である白蛇アナンタの生まれ変わりとされています。

○アシュタンガヨガについて

現在スタジオなどで広く実践されているアシュタンガヨガは、正式にはアシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガと言われています。シュリ・K・パタビジョイス師によって考案され、南インドのマイソールシティで教えられていたものです。運動量が多く、中上級者のヨガとも言われていますが、ヨーガスートラに記された八支則に沿ったプラクティスを通して自分自身と向き合っていくのが特徴のヨガといえます。

ヨガの本来の意味を知ろう

○ユジュという考え方

ヨガの語源はサンスクリット語の「ユジュ」が由来となっており、「結ぶ、つなぐ、統合する」を意味しています。他にも「瞑想を深める」、「自分自身に意識を集中させる」といった意味を持つことから、ヨガは「自己と向き合い調和のとれた状態へ導くもの」として広く伝えられています。

幸せへの8ステップ!八支則を毎日の生活に取り入れよう!

ヨガの八支則は、「ヤマ」、「ニヤマ」「アーサナ」、「プラーナヤーマ」、「プラティヤハーラ」、「ダーラナ」、「ディアーナ」、「サマーディ」と8段階に分けられていますが、それぞれが8本の枝のように支え合って成り立っているといわれています。早速詳しく見てみましょう!

○ヤマ Yama(禁戒)

日常生活の中で、他人や物に対して慎むべき5つの心得。環境や人間が良い関係を保つために自制すべきことが記されています。

  • アヒムサAhimsa
    非暴力、非殺生。肉体的な暴力だけでなく、精神的な暴力、言葉の暴力も振るってはいけないとされています。他人だけでなく、自分自身に対しても同様で、何事に対しても思慮深くあることが大切。
  • サティヤ Satya 
    正直、誠実であること。自分の利益を守るためや、見栄を張って嘘をつかないこと。心穏やかに、自分に正直に生きていれば嘘をつく必要もありません。
  • アステーヤ Asteya 
    盗まないこと。他人の所有物を奪わないこと。また、独り占めしたり、欲張って必要以上に所有しようとしないこと。
  • ブラーマチャリヤ Brahmacharya
    性欲や物欲、食欲、名誉欲などのあらゆる欲望と快楽に惑わされ、エネルギーを消耗しないようにすること。
  • アパリグラハ Aparigraha
    執着しないこと。次から次に沸き起こってくる欲望に翻弄されず、何かを必要以上に所有しないこと。必要以上に所有し執着がわくことで、失うことへの恐怖や奪われるかもしれないという疑い、他人への嫉妬や怒りも自分の中に沸き起こってくるといわれて言われています。

○ニヤマ Niyama(勧戒)

日常生活の中で、自分に対して守るべき5つの心得。自分自身と良い関係を保つために進んですべき自己鍛錬が記されています。

  • シャウチャ Shaucha 
    自分自身の心身や、身を置く環境を清潔に保つこと。
  • サントーシャ Santosha
    「足る」を知ること。与えられた環境に感謝し、満たされていることに気付き満足することが大切とされています。
  • タパス Tapas
    努力すること。鍛錬すること。
  • スワディヤーヤ Swadhyaya
    経典やマントラなど自分の心を良い方向へ導いてくれる書物を読み、向上心を持って学習すること。
  • イシュワラプラニダーナ Ishvarapranidhana
    神への信仰心、感謝の念、献身的な気持ちを持つこと。

○アーサナ Asana(坐法)

ヨガのポーズ。瞑想に適した「安定して快適な座法」を身につけるための練習をすること。

○プラーナヤーマ Pranayama(調気)

呼吸と体・心を繋げることに意識を向けること。

○プラーティヤハーラ Pratyahara(制感)

感覚への意識を深め、コントロールすること。

○ダーラナー Dharana(疑念・集中)

一点集中。意識を特定の対象物に長時間向け、心を集中させる状態。

○ディヤーナ Dhyana(無心・瞑想)

瞑想状態。積極的に集中することもなく、深い静かな精神でいられる状態。

○サマーディ Samadhi(三昧)

ヨガの最終目標。解脱、や悟りとも言われ、瞑想が深まり、集中の対象との一体感を感じている状態。心の平静を保つ精神的な喜びを感じ、至福とされています。

このように、最初の2段階「ヤマ」、「ニヤマ」は、行動レベルのヨガ、マットの上で練習する以外のヨガ、つまり正しく生きるために日常生活で取り入れたい心得となっています。この2段階の心得を守り、次に続く「アーサナ」、「プラーナヤーマ」、「プラティヤハーラ」と段階を進みます。最終的に「ダーラナ」、「ディアーナ」、「サマーディ」の3段階で瞑想の練習を開始し、心の調整を行っていきます。

八支則を生活に取り入れよう

一般的にヨガというと、マットの上でポーズの練習をするイメージが強いですが、それらはヨガの一部にすぎません。ヨガの八支則をひとつひとつ見ていくと、日常生活においても実践できるということが分かりますね。心身の統一や調和、自分自身と上手に付き合うための練習を「ヨガ」とするのであれば、「off the mat(ヨガをしていない時間、日常生活)」でもヨガの八支則を取り入れ、ヨガを実践することができるのです。

「ヤマ」のアヒムサ(非暴力、非殺生)やサティヤ(正直・誠実)、サントーシャ(足るを知る)を意識できれば、ヨガのアーサナ(ポーズ)も自分の段階以上のことをしてケガをするというトラブルも回避し、穏やかな心持ちで無理のない範囲で実践をすることができますよね。また、アステーヤ(不盗)を意識すれば、他人の時間を奪うことになる遅刻にも気をつけられそうです。

ブラーマチャリヤ(禁欲)においても、「ヨガを深めるためには禁欲的に生活しなければいけないのか?」と一瞬ドキッとする内容ですかもしれませんが、完全に禁止するのではなく「何事に対してもエネルギーは適当にコントロールしましょうね」という教えであって、自分自身や他人を縛り付ける程に必死になる必要はないのです。

順序通りに、完璧にヨガの八支則を実践しようというよりも、背景にある哲学を理解しつつ、現代を生きる自分の生活に柔軟に取り入れていくことが大切です。自分自身が穏やかに快適に過ごすツールとしてヨガの八支則を実践してみませんか?

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