ヨガの起源!約4000年の歴史を持つヨガはいつ、どこで始まった?

ヨガの歴史を知ろう

日本だけでも700万人以上の人が愛好しているともいわれるヨガ。今やエクササイズとして不動の位置を獲得しています。そんなヨガはいつ頃、どこで生まれたのか知っていますか?ヨガの歴史を見ていきましょう。

ウパニシャッド聖典

「ヨガ」という言葉が初めて表記されたのが古代インドの哲学書ともいえる奥義書の「ウパニシャッド」です。このウパニシャッドは紀元前800年から西暦200年という長い歴史の中で200以上もあります。中期に成立したウパニシャッドに「ヨガ」が登場していることから紀元前300年~350年頃にはヨガが社会的に認知されていたと考えられています。

ヨガはなぜ生まれたのか

 ヨガの発展に貢献したのは、当時インドを侵攻していたアーリア人だといわれています。アーリア人はバラモン教(ヒンドゥー教の前身)を信仰していました。自然現象のすべてには神が宿ると信じられており、祈ることで神と交信ができると考えられていました。その儀式の手順や、祈りの言葉などが書かれた「ヴェーダ聖典」にヨガの哲学が書かれており、それを読んだ一部の人たちの間でヨガが広まったという説があります。当時の人々の信仰心、信心深さから生まれたといえるでしょう。

ヨガが産声を上げた場所

ヨガが産声を上げたのは世界4大文明の一つ、インダス文明の時代です。インダス文明が発祥したのはインドを代表する大河・インダス川の流域です。インダス川はパキスタンを通ってアラビア海にそそぐ川で、全長2900km、流域面積約116万㎢あります。聖なる川と称され、沐浴をするのはガンジス川の方ですね。

ヨガが生まれた時代

インダス文明といえば、中学校の歴史で学んだ世界四大文明の一つです。今から4500年も昔にさかのぼるのです。気が遠くなるほど長い年月を経て、続いているのには驚かされます。

誰によって広められたのか

残念ながらはっきりとは分かっていません。ヨガの存在が分かったのが、世界遺産にも登録されているインダス文明最大級の都市遺跡「モヘンジョ・ダロ(パキスタン)」の遺跡でした。ここで坐法を組んで瞑想する神像や、様々なポーズをとる陶器製の小さな像などが発見されたのです。数千年の長い年月をかけて、次世代への継承を繰り返しながら発展していき、次に紹介する「ヨーガ・スートラ」が成立します。

ヨガの経典「ヨーガ・スートラ」

ヨガの根本経典とされる「ヨーガ・スートラ」はヨガの指針となっています。ヨガの教えや哲学、それらを実現するためにはどうしたらいいのかを記したヨガの経典です。紀元前3世紀ごろから編纂され、紀元後500年頃に現在の形になったと考えられています。

ここにはたくさんのポーズが記載されているかと思いきや、そうではありません。ヨーガ・スートラは今のポーズを中心としたお手本ではなく、本当の自分を見つめ、どう生きるべきかを内側から探す方法を説いているのです。つまり悟りを開くための方法を伝えているのです。具体的には次に紹介する「八支則」で段階的な方法を示しています。

八支則

1.ヤマ(禁戒)

2・ニヤマ(勧戒)

3・アーサナ(座法)

4.プラーナーヤーマ(調気法)

5.プラティヤーハーラ(制感)

6.ダーラナー(集中)

7.ディヤーナ(無心)

8.サマーディ(三昧)

日本で一般的に認識されている「ヨガ」は「3、アーサナ」を指し、悟りの境地に達する段階のステップの一つとなっています。本場のインドの道場では、八支則の中でも「1.ヤマ」「2.ニヤマ」を実践できないとポーズの練習をすることすら許されないのだそうです。ヤマとニヤマの詳細は以下の通りです。

ヤマ【禁戒】

1.アヒムサ(暴力をふるわない)

2.サティア(嘘をつかない)

3.アステーヤ(盗まない)

4.ブラフマチャリア(節操を守る)

5.アパリグラハ(貪らない)

ニヤマ【勧戒】

1.サウチャ(清潔を保つ)

2.サントーシャ(足ることを知る)

3.タパス(一生懸命行う)

4.スヴァディアーヤ(自己探求)

5.イシュヴァラ・プラニダーナ(祈る/自然と共存)

いずれも当たり前のことばかりですが、このように記載されるということは昔も今も、人間は当たり前のことを守ることが難しい生き物である、ということなのかもしれません。

ヨガはアメリカから日本に上陸したのではない?実はけっこう古い!日本のヨガの起源

ヨガブームは最近でしたが、日本にヨガがやってきたのは実はかなり古いと知っていますか?さかのぼること平安京の時代。おそらく遣唐使を使った唐とのやり取りの中で日本に初上陸したものと思われます。806年に唐から帰国した人によって日本に最初に瑜伽(ゆが)としてヨガが伝わりました。それから1900年代に入って中村天風や三浦関造らによって細々と続いていました。アメリカから入ってきたのではないのです。

そして1970年代に入ってアメリカのヒッピーを中心に第一次ヨガブームが起こりました。いったん収束し、1990年代に再び起こった第二次ヨガブームでは、ハリウッドセレブたちがヨガをする姿が世界に発信され、ヨガが世界的に広まりました。

まとめ

歴史は日々変わっているようですが、もしこの歴史が正しければ、ヨガは邪馬台国以前からあったということになりますね。これほど長い年月をかけて、途切れることなく受け継がれてきたヨガには、まだまだ私たちには計り知れない魅力や発見が眠っていることでしょう。それを味わうには…ただひたすら淡々と、続けて行くしかないのです。今日もヨガを楽しみましょう!

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ライター。インタビュアー。フリーマガジン「灯す人」編集長。ヨガ歴10年。
毎朝“太陽礼拝”3回と好きなポーズを5種類やって瞑想をすることが日課。
雑誌で紹介されていた“太陽礼拝”をしてみたら予想以上に気持ちがよかった&ダイエット目的でSHIHOさんのDVDを購入して自分でやり始める。
スタジオに通っていた時期もあったが、今は自宅ヨガ。ヨガをすることで長年悩んでいた体質が改善。
「今ここ」を感じながら呼吸に集中することを楽しんでいる。